電気室(受電室)についての基礎知識まとめ

電気設備技術基準では、受電設備は変電所に準ずる場所に該当し
受電室に取扱者以外の者が立ち入らないように施設し、出入禁止の表示や施錠装置の設置を義務付けている。
労働安全衛生規則や火災予防条例などにも、受電設備に関する様々な規定がある。

受電室の位置及び構造

  • 湿気が少なく、水が侵入する又は浸透するおそれのない場所を選定するとともに
    それらのおそれのない構造とする。
  • 火災時の消防放水又は洪水、高潮などによって
    容易に電源が使用不能にならないよう配慮する。
  • 受電室は、防火構造又は耐火構造であって
    不燃材料で造った壁、柱、床及び天井で区画され、かつ、窓及び出入口には防火戸を設けたものとする。
    ただし、受電設備の周囲に有効な空間を保有するなど
    防火上支障のない措置を講じた場合は、この限りでない。
    また、防火構造、耐火構造及び不燃材料に関しては
    建築基準法、消防法及び各都道府県又は市町村の火災予防条例による。
  • 爆発性、可燃性又は腐食性のガス、液体又は粉じんの多い場所には、受電室を設置しない。
  • 雨が吹き込んだり、雨漏りがしないような窓の位置及び強度などを考慮する。
  • 鳥獣類などが侵入しないような構造にする。
  • 機器の搬出入が容易にできるような通路及び出入口を設ける。
  • 取扱者以外の者が立ち入らないような構造にする。

受電室の機器配置

変圧器、配電盤など受電設備の主要部分における距離の基準は
保守点検に必要な空間及び防火上有効な空間を保持するため
下表の値以上の保有距離を必要とする。

機器別 保守点検距離(m)

保守点検に必要な通路は、幅0.8m以上、高さ1.8m以上とする。

● 機器、配線、充電部などとの離隔距離を、上表に示す。
● 通路面は、つまずき、すべりなどの危険のない状態に保持する。
● 下図は受電室の保守点検通路(黒のゴムマット上)の例。

図:保守点検通路

受電室の照明

● 照度は、配電盤の計器面で300ルクス以上、その他の部分では70ルクス以上とする。
● 照明器具は、光が計器面に反射して、計器が見えにくくならない位置に施設する。
● 受電室の照明器具は、管球の取り替えの際に充電部に接近しなくてもよいようなところに施設する。

図:受電室の照明器具

上図に配電盤の上部に取り付けた例を示す。
また、停電の場合を考慮して、移動用又は携帯用の電灯を
受電室のわかりやすい場所に備えておく。

保安対策

● 変圧器の発熱などで、室温が過昇するおそれのある場合には
通気孔、換気装置又は冷房装置などを設けてこれを防止する。
通気孔その他の換気装置を設ける場合は、その構造に特に注意し
強風雨時における雨水及び風雪時における雪の吹き込むおそれのないよう十分配慮する。

● 湿気又は結露により絶縁低下などのおそれがある場合には、これを防止するため適切な対策を講ずる。

● 自動火災報知設備の感知器は、感知器の保守・点検の際充電部に接近しないようなところに設置する。

● 受電室は、出入口又は扉に施錠装置を施設して施錠するなど
取扱者以外の者が立ち入らないような措置を講じ、見やすいところに上写真のような
「高圧危険」や「係員以外立入禁止」などの表示をする。

なお、高圧充電部には「充電標示器」を取り付け、取扱者の注意を喚起する。


●露出した充電部分は、防護カバーを設けるなど
取扱者が日常点検などを行う場合に容易に触れるおそれがないよう施設する。
取扱者が露出した充電部分に近づいて日常点検などを行う際
充電部に対して頭上距離が0.3m以内又は身体側距離若しくは足下距離が0.6m以内に接近し
感電の危険が生ずるおそれのあるときは
充電部に絶縁用防具を装着するか、下写真のような絶縁用保護具を着用する必要がある。

図:絶縁用保護具

  • 変圧器の励磁振動が騒音となり
    影響を及ぼすおそれがある場合には適切な防音施設を施すこと。
    受電室を敷地境界線の近くに設置する場合には
    その騒音測定値は、都道府県の騒音防止条例に定められている規定値以下とする。
  • 受電室内には、電気火災に有効な消火設備(不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備又は消火器)を設ける。(下図参照)

図:二酸化炭素消火設備

  • 受電室内には、保守・点検用電源のコンセント回路を設ける。
  • ケーブル等が受電室の壁等を貫通する場合は、適切な防火措置を施す。

その他の注意事項

  • 地震による震動等に耐えるために、受電設備に使用される機器(特に変圧器)、配線などは床、壁、柱等に堅固に固定するなどの有効な措置を施す。
  • 配線ピットなどから水が侵入するおそれがある場合は、防水壁などで水が侵入しないよう有効な措置を施す。
  • 受電室は、倉庫、更衣室又は休憩室など、受電設備の本来の目的以外の用途に使用しない。
  • 工具、器具及び材料は、受電設備の監視、保守、点検などに支障がない箇所に保管する。
  • 受電室には、水管、蒸気管、ガス管などを通過させない。
  • 受電室には、電気主任技術者の氏名、所属、連絡先等を見やすいところに表示する。
  • 受電室には、受電室専用の分電盤及び制御盤以外は設けない。ただし、取扱者が操作する分電盤及び制御盤にあっては、この限りでない
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