シーケンス図における順序動作回路の基礎知識まとめ

電気・制御設計における「シーケンス」

工場などの設備や家電製品を、あらかじめ決められた順序に従って動作させる制御をシーケンス制御と呼ぶ。

概要

「ボタンを押したら、まずランプが点き、3秒後にモーターが回る」といった
一連の動作のルールを指す。

  • リレーシーケンス: 電磁継電器(リレー)を組み合わせて回路を構成する、物理的な配線による制御。
  • PLC(プログラマブルロジックコントローラ): プログラムによって制御を行う現代の主流方式。
  • シーケンス図: 制御の流れを視覚的に表現した図面。

シーケンス図の読み方の基本

シーケンス図を読むには、使用される図記号の意味やシーケンス図の基本的な約束を知る必要がある。
図記号を見ただけでどのような機器が使われているのかイメージできれば、動作も理解しやすくなる。

読み方の具体例

①シーケンス図に目を通す場合、基本的に動作の1番初めから順に見ていく。
 縦描きのシーケンス図の場合、動作が左から右に向かって進むかため、初めに左上に注目する。

②上回路では、左上には押しボタンスイッチのメーク接点があることがわかる。
 次にこの押しボタンスイッチを押したらどうなるかを考えてみる。

押しボタンスイッチを押すと電磁リレーのコイルに電流が流れ
電磁リレーが励磁することがわかる。
そこで電磁リレーRの接点の位置を確認する。このとき、図中に位置参照方式による
電磁リレーの接点の位置が表に示されていれば、簡単に接点の位置を見つけ出すことが可能となる。

③電磁リレーの接点を見つけたら、それらが作動したときに電流がどのように流れ
 次に何が作動するのかを考える。上図回路では、電磁リレーのメーク接点R-m2が閉じると
 表示灯RLが点灯すること
がわかる。

順序動作回路

図:順次動作回路

上図の回路には、3組の自己保持回路があるが
すべて動作させるには必ずA、B、Cの順番で押しボタンスイッチを押す必要がある。
このような回路を順序動作回路といい
複数の機械装置を決められた順序で作動させる必要がある場合に用いられる。

順序動作回路のタイムチャート

図:順序動作回路のタイムチャート図

シーケンス回路の動作は、一般的に時間の経過とともに各機器の動作が進行していく。
その内容をグラフ化したものをタイムチャートと呼び
これを描くことで各機器の動作の関係を目で確認することが可能となる。

タイムチャートは横軸に時間をとり、機器の動作している区間を立ち上げて表す。

動作説明

動作1 BS-Bを押してもR2は作動しない。
動作2 BS-Cを押してもR3は作動しない。
動作3 BS-Aを押すとR1が自己保持する。
動作4 BS-Cを押してもR3は作動しない。
動作5 BS-Bを押すとR2が自己保持する。
動作6 BS-Cを押すとR3が自己保持する。
動作7 STP-BSを押すとすべてリセットされる。

順序動作回路が使用されている機械

工場の生産ラインや搬送設備

製造現場では、順番を間違えると製品の破損や事故に直結するため
この回路が必須となる。

  • ベルトコンベアシステム
    • 複数のコンベアが連なるラインでは、「下流(出口側)のコンベア」が先に動いていないと
      上流から流れてきた荷物が詰まってしまうため
      下流コンベア ➔ 上流コンベアの順でしか起動できないように制御する。
  • 自動組み立て機・プレス機
    • 「材料を供給する」➔「位置を固定する(クランプ)」➔「加工(プレス)する」という一連の動作を
      順序動作回路で確実にステップ管理する。

ポンプやファンなどのプラント設備

大型の機械やインフラ設備を立ち上げる際
内部の圧力や流体を安全にコントロールするために使われる。

  • 大型送風機(ファン)の起動ライン
    • いきなりメインのファンを回すと負荷が大きすぎる場合
      まず「ダンパー(風門)を開ける」➔「補助ファンを回す」➔「メインファンを起動する」
      といった順序を踏ませる。
  • 給排水・油圧ポンプシステム
    • 「配管のバルブを開ける」➔「ポンプを起動する」という順番を守らせ
      バルブが閉まったままポンプが空回り(締切運転)して破損するのを防ぐ。

エレベーターや立体駐車場

人が操作したり、大きな重量物が動いたりする設備のリフト制御にも使われる。

  • 立体駐車場(機械式)
    • 「ゲートが閉まる」➔「ターンテーブルが回る」➔「パレットが上昇する」など
      前の動作が完全に完了(自己保持やリミットスイッチで確認)しないと
      次の動作に移らないようにロックをかける。

身近な家電・一般設備

  • 全自動洗濯機
    • 「給水」➔「洗い」➔「すすぎ」➔「脱水」のプロセスは
      順序動作回路(現在はマイコン制御が主流だが、論理は同じ)の典型例となる。
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