実務経験と月次点検頻度の根拠(平成15年経済産業省告示249号)についての備忘録

外部委託に必要な実務経験(第一条)

電気主任技術者免状の取得者が、外部委託(管理技術者・保安業務担当者)として
独立・従事するために必要な実務期間の規定となる。

基本の必要実務期間

  • 第1種: 3年
  • 第2種: 4年(講習修了で3年、講習+訓練修了で2年)
  • 第3種: 5年(講習修了で3年、講習+訓練修了で2年)

重要な特例(免状交付前の経歴)
免状を取得する前の実務期間は「2分の1」としてカウントされる。

1年短縮の特例(第1条第2項)

以下の「設備条件」を満たす需要設備のみを対象とする場合は
期間をさらに1年短縮できる。

  1. 設備容量が 300 kVA 以下
  2. 受電設備が キュービクル式 であること
  3. 主遮断装置が PF・S形(高圧限流ヒューズ+高圧交流負荷開閉器)であること

保安業務に必要な機械器具(第二条)

電気保安業務を行うにあたり
最低限所有(または用意)していなければならない工具・測定器のリスト。

電気管理技術者・電気保安法人の必須器具

  1. 絶縁抵抗計
  2. 電流計
  3. 電圧計
  4. 低圧検電器
  5. 高圧検電器
  6. 接地抵抗計
  7. 騒音計(※)
  8. 振動計(※)
  9. 回転計(※)
  10. 継電器試験装置(※)
  11. 絶縁耐力試験装置(※)

【免除規定のポイント】

●(※)が付いた7〜9号は、太陽光、燃料電池、蓄電所、需要設備、配電線路のみ
見る場合は不要となる。

●10〜11号(試験装置)は、必要な時にレンタル等で使用できる措置(貸借契約など)が取られていれば、常時所有していなくても認められます。

担当上限を決める「換算係数」(第三条)

一人の技術者が担当できる容量の上限(総枠)は、持ち点「33ポイント(点)」と定められている(第4項)。
各設備の規模に応じて、以下の係数を掛け算して合計する。

需要設備の主な換算係数

  • 低圧: 0.3
  • 小規模高圧需要設備(64 kVA 未満、非常用発電機なし): 0.2(※第2項規定)
  • 高圧需要設備(通常):
    • 64 kVA 未満:0.4
    • 64 kVA 〜 150 kVA 未満:0.6
    • 150 kVA 〜 350 kVA 未満:0.8
    • 350 kVA 〜 550 kVA 未満:1.0
    • (以降、容量が大きくなるにつれて最大3.0まで増加)

【小規模特例の控除】 64 kVA 未満の小規模高圧需要設備については、全体の合計値から10ヵ所分までは換算値を引く(ノーカウントにする)ことができる。

月次・年次点検の「点検頻度」(第四条)

設備の形態や信頼性に応じて、法令で定められた最低限必要な点検の周期となる。
実務のスケジュール管理の基準となる。

設備の条件点検頻度
一般的な需要設備(基本)毎月1回以上
小規模高圧需要設備(64 kVA 未満・発電機なし)3ヶ月に1回以上
(登録点検事業者の場合は6ヶ月に1回)
信頼性の高い設備(100 kVA 以下の低圧受電、柱上変圧器なし、等)隔月(2ヶ月)に1回以上
遠方監視・絶縁監視装置+漏電遮断器等がある高信頼性設備隔月〜3ヶ月に1回以上(仕様による)
屋内キュービクル式かつ蓄電池・非常用発電機がない設備3ヶ月に1回以上
工事期間中の設備毎週1回以上

発電所・その他の点検周期

太陽電池発電所・蓄電所: 基本は 6ヶ月に1回以上

受変電設備の信頼性や監視体制(スマート保安)の有無によって
2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月に1回へと細かく変動する(第4条第4号の2、4号の3)。

  • 一般の発電所(水力・風力など): 毎月2回以上(工事中は毎週1回)
  • 配電線路: 6ヶ月に1回以上

この告示は、実務における独立開業時の経歴審査、持ち点管理(33点の上限管理)
そして毎月の点検スケジューリングのすべての法的根拠となるものとなる。

参考資料

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/law/files/tenkenhindokokuji.pdf
平成十五年経済産業省告示第二百四十九号(電気事業法施行規則第五十二条の二第一号ロの要件等に関する告示)より引用

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