証明用電気計器(通称:子メーター)は
貸しビル、アパート、商業施設、テナントなどで、オーナーや管理者が一括して支払った電気料金を
各部屋やテナントの実際の使用量に応じて配分(実費精算)するために設置されるメーターのこと。
電力会社が料金徴収に使うメーター(親メーター)と同様に
子メーターで計測した値をもとに電気代を請求する行為は、計量法上の「取引又は証明」に該当する。
そのため、計量法第16条により以下の厳しい制限が課されている。
使用の制限)
第十六条 次の各号の一に該当するもの(船舶の喫水により積載した貨物の質量の計量をする場合におけるその船舶及び政令で定める特定計量器を除く。)は、取引又は証明における法定計量単位による計量(第二条第一項第二号に掲げる物象の状態の量であって政令で定めるものの第六条の経済産業省令で定める計量単位による計量を含む。第十八条、第十九条第一項及び第百五十一条第一項において同じ。)に使用し、又は使用に供するために所持してはならない。
一 計量器でないもの
二 次に掲げる特定計量器以外の特定計量器
イ 経済産業大臣、都道府県知事、日本電気計器検定所又は経済産業大臣が指定した者(以下「指定検定機関」という。)が行う検定を受け、これに合格したものとして第七十二条第一項の検定証印が付されている特定計量器
ロ 経済産業大臣が指定した者が製造した特定計量器であって、第九十六条第一項(第百一条第三項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の表示が付されているもの
三 第七十二条第二項の政令で定める特定計量器で同条第一項の検定証印又は第九十六条第一項の表示(以下「検定証印等」という。)が付されているものであって、検定証印等の有効期間を経過したもの平成四年法律第五十一号 計量法 より引用
子メーターの有効期間は、メーターの構造(電子式か機械式か)や
変成器(CT・VT)を組み合わせるかどうかによって細かく分かれている。
現在主流の電子式メーターの場合、有効期間は以下のようになる。
| 計器の種類 | 構造・方式 | 条件 | 有効期間 |
| ① 単独計器 | 誘導形 | 定格電圧300V以下で30A、120Aの計器 | 10年 |
| 電子式 | 定格電圧300V以下で30A、60A、120A、250Aの計器 | 10年 | |
| ② 変成器付計器 | 誘導形・電子式 | 定格電圧又は計器用変圧器(VT)の一次電圧が300V以下で、変流器(CT)の一次電流が120A以下の計器 | 7年 |
| ③ 変成器付計器 | 誘導形 | 上記②以外のもの | 5年 |
| 電子式 | 上記②以外のもの | 7年 |
計量施工令第18条より引用
実務での注意点(合番号の確認
変成器付計器の場合、メーター本体と変成器(CT)の双に「同一の合番号票(真鍮製のプレート)」が
取り付けられていなければならない。
これが一致していない場合も計量法違反になる。
現地盤(エカプラ、電力メーター盤など)を巡視する際
メーターのどこを見れば期限がわかるかは以下の2パターンに分かれる。
単独計器の場合(検定ラベル)
カバー正面に直径約2cmの円形の白色ラベルが貼られている。
そこに「2032年6月」のように黒字で有効期限が明記されている。
(2018年12月以前の合格品は「35年6月」のように元号のみの表記です)。
変成器付計器の場合(検定票)
メーターの正面右側などの封印ネジ部に
小判型のファイバー製の札(検定票)がぶら下がっている。
ここに有効期限の年月が刻印されている(茶かっ色は7年、灰色は5年などの区別がある)。
実務上、特にテナントビルなどでトラブルになりやすいのが
「誰の費用負担で交換するか」という点となる。
交換の義務者
計量法では「誰が費用を払うか」までは指定していない。
基本的には「電気料金を請求する側(ビルのオーナーや管理者)」が
有効期間内にメーターを維持管理する責任を負うのが一般的となる。
事前の取り決めが重要
退去時のトラブルを防ぐため、賃貸借契約書や管理規約の中に
「子メーターの検定更新費用はオーナー負担とする(またはテナント負担とする)」旨を
明記しておくことが、スムーズな管理のポイントになる。
交換の際は、「新品への買い替え」のほか
外したメーターをメーカー等で「修理・再検定」に出して使い回す方法もある。
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一般社団法人 北海道電気管理技術者協会 電気かんり北海道2018年夏号より一部引用