電気主任技術者についての法令根拠と実務内容のまとめ

電気主任技術者の定義と法的根拠

電気事業法第43条に基づき、ビル、工場、発電所などの「事業用電気工作物」の
設置者(オーナー・経営者)から選任され、設備の「工事・維持・運用」に関する保安の監督を行う最高責任者。

法律によって以下の重い義務と強い権限が与えられている。

誠実義務(第43条第4項)

職務を誠実に行う義務があり
名義貸しや危険の放置は許されない。

指示遵守義務(第43条第5項)

現場で電気の工事や運用に従事する者は
主任技術者の保安上の指示に従わなければならないという権限が保証されている。

電気主任技術者の具体的な実務内容

日々の安全を守るため、保安規程に則って以下のような実務・監督を行う。

  • 巡視点検(日常・月次)
    キュービクル(受変電設備)の外観チェック、異音・異臭・発熱の有無、漏れ電流の測定などを行い
    五感と測定器で異常を早期発見する。
  • 定期点検(年次)
    原則年1回、施設を全停電させて実施する。
    絶縁抵抗測定、接地抵抗測定、保護継電器の動作試験など、機器の精密な検査を指揮・監督する。
  • トラブル・災害時の対応
    万が一の停電や電気事故、自然災害の発生時には、二次災害を防ぎつつ迅速な復旧を指揮する。
    重大な事故の際は、国への「電気事故報告」の手続きも主導する。
  • 書類管理と保安教育
    点検結果を記録・保存(法定義務)し、社内の電気取扱者への安全教育を実施する。

保安規程に定めるべき事項との連動

主任技術者が行う実務は、すべて保安規程(施行規則第50条第3項)で定められた以下の項目に直結している。

  1. 工事・維持・運用に関すること
    職務組織の明確化、従業員への保安教育、巡視・点検の計画、長期停止時の保全方法。
  2. 運転・操作に関すること
    設備の正しい操作方法の規定。
  3. 災害時に関すること
    非常時の緊急措置(どこで電気を遮断するか等)。
  4. 記録・保存に関すること
    保安記録の作成、法定自主検査や使用前自己確認の体制と記録保存。

常駐選任と外部委託(電気保安法人など)

電気主任技術者は原則としてその事業所に「常駐(直接雇用)」で選任されるが
受電電圧7,000V以下などの一定規模未満の需要設備・発電設備であれば
国の承認を受けて電気保安法人や個人事業者(電気管理技術者)に保安業務を外部委託することが可能。

この場合、委託された担当者が定期的に現場を訪れて主任技術者の職務を代行する。

参考資料

https://www.safety-kanto.meti.go.jp/electric/e_seminar2025.html
経済産業省関東東北産業保安監督部 令和7年度電気主任技術者セミナー実施概要 より引用

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