配電盤等における相配列と色別についての備忘録

現場で盤の扉を開けた際
「どのバーが何相か?」
「この赤い線はプラスかマイナスか?」
と判断する場合
電気設備において、配線の色や配置は作業員の安全と設備の正常な稼働に直結する重要な要素となる。

配電盤等における相配列と色別の概略

配電盤内の導体(母線や配線)の配置および色別は
JEM-1134によって明確に規定されている。

交流回路の相配列と色別

交流回路における配置と色は
三相回路か単相回路かによって異なる。

三相回路の場合

三相交流における配置と色は以下の通り。
相回転は原則として「第1相・第2相・第3相」の順になる。

  • 配置(並び順)
    • 左右の場合:左から(第1相 → 第2相 → 第3相 → 中性相)
    • 上下の場合:上から(第1相 → 第2相 → 第3相 → 中性相)
    • 遠近の場合:近いほうから(第1相 → 第2相 → 第3相 → 中性相)
  • 色別
    • 第1相(R相):
    • 第2相(S相):
    • 第3相(T相):
    • 零相及び中性相(N相):

単相回路の場合

単相回路の場合は
中性相が間に来る配置となる点に注意が必要。

  • 配置(並び順)
    • 左右の場合:左から(第1相 → 中性相 → 第2相)
    • 上下の場合:上から(第1相 → 中性相 → 第2相)
    • 遠近の場合:近いほうから(第1相 → 中性相 → 第2相)
  • 色別
    • 第1相:
    • 中性相:
    • 第2相:

直流回路の極性配列と色別

直流回路(制御電源など)についても、極性によって明確なルールがある。
特に「左右の場合」の並び順は直感と異なる場合があるため注意が必要となる。

  • 配置(並び順)
    • 左右の場合:左から負極(N)正極(P)
    • 上下の場合:上から(正極(P) → 負極(N))
    • 遠近の場合:近いほうから(正極(P) → 負極(N))
  • 色別
    • 正極(P):
    • 負極(N):

配電盤等における相配列と色別について実務におけるポイント

三相回路から分岐した単相回路の「色」に注意

『三相回路から分岐した単相回路においては、分岐前の色別によるものとする』
例えば、三相3線式(赤・白・青)から単相負荷をとるために「第2相(白)」と「第3相(青)」から分岐させた場合、その単相回路の配線色は「赤・黒」ではなく、元の色である「白・青」を使用する必要がある。
これを誤ると、盤内の配線追跡時に混乱を招き、短絡事故の原因にもなる。

直流回路の「左右配置」の罠

上記のように、直流回路を左右に配置する場合、左がマイナス(N)、右がプラス(P)となる。
一般的に「左から第1相、第2相…」と数える交流の感覚や、「左がプラスだろう」という思い込みで
結線・測定を行うと、極性逆接による機器の焼損や
テスターの逆接続によるトラブルを引き起こす可能性がある。
実務では必ずテスターで極性を確認する癖をつけること。

他の規格(内線規程など)との使い分け

参考としているJEM-1134は、あくまで「配電盤・制御盤などの盤内」における規格であり
一般的な屋内配線(内線規程等)では、単相100V回路の接地側電線(中性線)には「白」を使用することが義務付けられている(電気設備技術基準の解釈)。

  • 盤内(JEM規格):中性相は「黒」
  • 一般配線(内線規程):接地側(中性線)は「白」

盤内と盤外(現場配線)でルールが異なる場合があるため
電気技術者は「今自分がどの範囲の設備を触っているか」を意識し
仕様書や図面を正確に読み解くスキルが求められる。

表による一覧表まとめ

配置(配列)

区分回路・極性左右(左から)上下(上から)遠近(近いほうから)
交流三相回路第1相 ➔ 第2相 ➔ 第3相 ➔ 中性相第1相 ➔ 第2相 ➔ 第3相 ➔ 中性相第1相 ➔ 第2相 ➔ 第3相 ➔ 中性相
単相回路第1相 ➔ 中性相 ➔ 第2相第1相 ➔ 中性相 ➔ 第2相第1相 ➔ 中性相 ➔ 第2相
直流直流回路負極(N)正極(P)正極(P)負極(N)正極(P)負極(N)

注記(交流): 三相交流の相は第1相・第2相・第3相の順に相回転する。

色別

区分回路・極性相・種別
交流三相回路第1相
第2相
第3相
零相及び中性相



単相回路第1相
中性相
第2相


直流直流回路正極(P)
負極(N)

注記(交流): 三相回路から分岐した単相回路は、分岐前の色別による。

参考資料

一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)が定める日本電機工業会規格(JEM)より一部引用

名無し管理事務所