ダイオードの基本構造
図:ダイオードの基本構造
ダイオードは簡単に言えば一方通行の素子であり
p形半導体とn形半導体を接合してできている。
p形半導体の端子をアノードと呼び
また、n形半導体の端子をカソードという。
電流の流れ方
図:順方向電圧
ダイオードのアノードに直流電源のプラスを接続し、カソードにマイナスを接続すると
アノードからカソードに向かって電流が流れる。
このように電流が流れる方向に加える電圧を順方向電圧といい
流れる電流を順方向電流という。
※直流電源を逆向きに接続すると、電流は流れない。(上記図参照)
ダイオードは一方向だけに電流を流す素子であり、この性質を整流作用という。
図:水配管の「逆止弁」イメージ図
ダイオードの働きは
逆止弁を持った水配管に例えるとわかりやすい。
順方向電圧を加えた場合
図:順方向に水が流れた場合
水圧が逆止弁の左側から右側(順方向)に向かって加えられると、弁は開き水が流れる。
逆止弁はいったん開くと水流がなくなるまでは開いている。
水流がなくなると逆止弁は自動的に閉じる。
逆方向電圧を加えた場合
図:逆方向に水が流れた場合
水圧が逆止弁の右側から左側(逆方向)に向かって加えられても
弁は開かないため水は流れない。
代表的な用途
ダイオードの整流作用を応用してダイオードに交流電圧を加えれば
交流を直流に変換することができる。
(=整流回路)
各種制御盤(リレー回路)
リレーのコイルのサージ吸収用(フリーホイールダイオード)として
コイルと並列に接続される。
コイルの電源が遮断された際に発生する高電圧の逆起電力を逃がし
他の電子部品の破壊を防ぐ。
リレー回路にサージ吸収用ダイオードを並列接続する際
電源のプラス側にカソード、マイナス側にアノードを接続する(通常時は逆方向になるようにする)こと
→順方向に取り付けてしまうと、電源を入れた瞬間にダイオード経由で電源がショートし、ヒューズが飛ぶなどの二次トラブルに繋がるため
太陽光発電システム(PCS)
並列接続されたストリング間の電流の逆流や
夜間のバッテリーからの逆流を防ぐための「逆流防止ダイオード」として使用される。
直流電源装置
AC(交流)からDC(直流)へ変換するためのブリッジダイオードとして用いられる。
ダイオードが過電圧や過電流、許容損失を超えた熱などによって破壊された場合
主に以下の2つの故障モードが発生する可能性がある。
| 故障モード | 特徴・原因 | テスターでの判定目安 |
| ショート(短絡) | 許容損失を超えた過熱などによって内部の接合部が溶着するケース。過電圧・過電流による破壊時、まずはこのショートモードになりやすい。 | 順方向・逆方向どちらで測定しても抵抗値が0Ωまたは極端に低い値を示す。 |
| オープン(開放) | ショート破壊後に流れた過大な短絡電流の熱などで、内部のボンディングワイヤが焼き切れて完全に断線した状態。 | 順方向で測定しても抵抗値が無限大(O.L.等)となり、導通しない。 |
現場で「基板のヒューズが頻繁に飛ぶ」「リレーが正常に動作しない」などのトラブルがあった場合
まずはテスターの「ダイオードテストモード」で導通をチェックする。
ダイオードモードは抵抗値(Ω)ではなく
順方向の電圧降下(V)を測定する機能であり
正常なシリコンダイオードであれば、順方向で測定した際に約0.5V〜0.7Vを示す。
これを基準に「0V付近ならショート」「順方向でもO.Lならオープン」と判定することで
不良部品を迅速に見つけ出すことができる。
新電気2019年12月号「特集 強電技術者のための電子回路」より一部引用
ローム株式会社 「エレクトロニクス豆知識:ダイオード」
https://techweb.rohm.co.jp/product/transistors-diodes/diodes/23844/
東芝デバイス&ストレージ株式会社 「ダイオードとは」
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/knowledge/faq/diode/what-are-diodes.html
オムロン株式会社 「リレー 共通の注意事項(サージ吸収用ダイオード)」
https://components.omron.com/jp-ja/faq/relays/FAQE10041