トランジスタの構造と基本動作
構造
図:トランジスタの構造と図記号
p形半導体とn形半導体を3つ組み合わせた素子で
npn形とpnp形がある
(本記事ではnpn形をベースに解説)
制御の仕組み
図:トランジスタの造副作用
トランジスタは、ベース電流 IB によってコレクタ電流 IC を制御する素子。
=ベース電流 IB によってコレクタ-エミッタ間の抵抗が変化する。
1.抵抗の変化
ベース電流 IB が大きいと抵抗が下がり、ベース電流 IB が小さいと抵抗が高くなるため
ベース電流 IB が大きくなるにつれてコレクタ電流 IC も大きくなる。
2.増幅作用とは
ベース電流 IB は数十 uA であるのに対し、コレクタ電流 IC は数 mA と約100倍になる。
→小さな電流 IB を入力し、大きな電流 IC を出力する働きを「増幅作用」と呼ぶ。
3.電流の供給元
実際にはベース電流 IB が増幅されてコレクタ電流 IC になるわけではなく
電源 VCCからコレクタ電流 IC を引っ張ってきている。
ベース電流 IB が大きくなるほどベース弁が開き
水槽から流れ出る水量(コレクタ電流 IC )が増加する。
逆にベース電流 IBが減って 0 になると弁が完全に閉じ
水は流れなくなる。
(コレクタ電流 IC=0 )
実務での活用(スイッチング作用)
「水配管の弁を完全に開くか、完全に閉じるか」という動作を応用したものが「スイッチング作用」となる。
実務における電源回路(スイッチング電源)やインバータ装置などでは
ベースに電気を流すか否かで、電流のON/OFFを高速に切り替えている。
この高周波スイッチングにより
トランスを小型化できたり、安定した直流を出力したりすることが可能になる。
次世代パワー半導体(SiCとGaN)の台頭
電気自動車(EV)や再生可能エネルギー(太陽光発電など)で活躍するパワー半導体の素材が進化しており
従来のシリコン(Si)に代わり、次世代素材として以下の2つが特に注目されている。
| 素材 | 特徴・用途 |
| SiC(炭化ケイ素) | Siと比べて絶縁破壊強度が約10倍と高く 高耐電圧・低損失であることが特徴。 EVのモーター駆動用回路や太陽光発電の パワーコンディショナなど 中〜大容量機器での普及が先行して進んでいる。 |
| GaN(窒化ガリウム) | SiCと同様に高い絶縁破壊電界強度を持つが 特に電子移動度が高く高速スイッチングが得意。 現在はACアダプターやサーバー電源などの 小型機器を中心に活用が拡大している。 |
新電気2019年12月号「特集 強電技術者のための電子回路」より一部引用
ROHM(ローム) エレクトロニクス豆知識
https://techweb.rohm.co.jp/
三菱電機 パワー半導体ポータルサイト
https://www.mitsubishielectric.co.jp/semiconductors/powerdevices/
富士電機 パワー半導体技術解説
https://www.fujielectric.co.jp/products/semiconductor/information/about.html