トップランナー制度は、日本の省エネルギー政策の中核をなす制度であり、エネルギー効率の高い製品の普及を促進することを目的にしている。
地球温暖化対策やエネルギーセキュリティの向上に貢献している。
トップランナー制度の仕組み
対象機器の選定
- 国内で大量に使用される機器
- エネルギー消費量が多い機器
- エネルギー消費効率の改善が見込まれる機器
上記の要件を満たす機器が「特定機器」として選定される。
目標基準の設定
- 選定された機器ごとに、現時点で最もエネルギー消費効率の高い製品(トップランナー)の基準値を参考に、数年後の目標基準値を設定する。
- 目標基準値は、技術開発の動向や市場の状況などを考慮して定められる。
製造事業者への義務
製造事業者や輸入事業者は、目標年度までに目標基準値を達成した製品を製造・販売する義務を負う。
達成状況の評価
国は、製造事業者などから提出された報告書などに基づいて、目標達成状況を評価する。
情報公開と消費者への情報提供
省エネルギー性能に関する情報は、省エネラベリング制度などを通じて消費者に提供され、製品選択の際の判断材料となる。
トップランナー制度の目的
- エネルギー消費効率の高い製品の普及促進
- 省エネルギー技術の開発促進
- 地球温暖化対策への貢献
- エネルギーセキュリティの向上
制度のポイント
●最高基準値方式:現時点で最もエネルギー効率の高い製品を基準とするため、技術革新を促す効果がある。
●目標年度の設定:数年後の目標を設定することで、製造事業者などに技術開発の時間を与える。
●情報公開:省エネルギー性能に関する情報を公開することで、消費者の製品選択を支援する。
トップランナー制度の対象機器
- 乗用自動車
- エアコンディショナー
- テレビジョン受信機
- 冷蔵庫
- 蛍光灯器具
- 複写機
- コンピューター
- その他
参考資料
- 経済産業省 資源エネルギー庁:省エネ性能カタログ
- https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/choice/