地中に埋設された電力線、通信線、上下水道管などのケーブルや配管を接続・分岐したり、保守・点検作業を行ったりするために設けられる比較的小さな地下構造物。人がかがんで作業できる程度の大きさであることが一般的。
ハンドホールの主な目的
- ケーブルや配管の接続・分岐: 地中を通るケーブルや配管を接続したり、必要な方向に分岐させる接続点となる。
- 保守・点検作業: ケーブルや配管の状態を点検したり、故障時の修理作業を行ったりするための空間を提供する。
- 機器の設置: 通信機器や制御機器など、比較的小さな機器を収容することがある。
- 作業スペースの確保: 地下での作業を行う際に、一時的な作業スペースとして利用される。
ハンドホールの種類と特徴
- 電力用ハンドホール: 電力ケーブルの接続、分岐、引込みなどに使用される。高電圧ケーブルを通すものは、より堅牢な構造になっていることが多い。
- 通信用ハンドホール: 光ファイバーケーブルやメタルケーブルなどの通信ケーブルの接続、分岐、中継機器の設置などに使用される。
- 上下水道用ハンドホール: 水道管や下水道管のバルブ操作、点検、清掃などに使用される。
- 複合型ハンドホール: 電力線と通信線など、複数の種類のケーブルを収容するために設けられることがある。
構造と材質
ハンドホールの構造は、一般的に以下のような要素で構成されている
- 本体: 地中に埋設される箱状の構造物で、コンクリート製、FRP(繊維強化プラスチック)製、ポリエチレン製などがある。
- 蓋: 地上から内部への出入り口となる蓋で、金属製やコンクリート製などがあります。強度や防錆性、開閉のしやすさが考慮される。
- 内部設備: ケーブルラック、配管支持金具、照明設備、換気設備などが設置されることがある。
設置場所
- 道路や歩道の下: 都市部では、多くのライフラインが地中に埋設されており、接続点や点検のために設置される。
- 宅地の境界付近: 電力や通信の引込口付近に設置されることがある。
- 工場や事業所の敷地内: 独自のライフラインネットワークを持つ施設内でケーブルや配管の管理目的で設置される。
マンホールとの違い
ハンドホールとマンホールの主な違いは大きさ
- マンホール (Manhole): 人が立って作業できる程度の大きさの地下構造物で、比較的深い場所に設けられることが多いです。下水道、電力、通信など、様々な用途で使用される。
- ハンドホール (Handhole): 人がかがんで作業できる程度の比較的小さな地下構造物で、主にケーブルや配管の接続・分岐、簡単な点検作業などに使用される。比較的浅い場所に設けられることが多い。
保安上の注意
- ハンドホールの蓋は、安全のため、むやみに開けないようにすること。
※点検時は周囲にコーンを立てるなど、対策が必要。 - 蓋の上や周辺に物を置いたり、駐車したりすることは、作業の妨げになるため避けること。
- 破損や異常を発見した場合は、関係機関に連絡すること。