逆潮流についての基礎知識まとめ

逆潮流(ぎゃくちょうりゅう)とは、電力の流れが通常とは逆向きになる現象を指す。
具体的には、一般的に電力は電力会社から需要家(家庭や企業など)へ一方向に送られるが、
逆潮流はこの流れが逆になり、需要家側から電力会社の系統へと電力が送られる状態を意味する。

具体的な発生例

主に、太陽光発電などの発電設備を持つ需要家において、発電量が自家消費量を上回った場合に発生する。

逆潮流に関する概略

逆潮流とは、発電設備が出力した有効電力が系統側へ向かう現象のこと
需要施設構内で消費される有効電力よりも同構内で発電した有効電力のほうが多い場合
その余剰分の電力は系統へ向かう。

逆潮流の問題を回避するには、発電設備を系統連系させ、その有効電力を構内の負荷設備に供給させつつも
軽負荷時には余った発電電力を系統側へ逆潮流させない自動制御装置を設置することが有効となる。

逆潮流の種類

  • 余剰売電: 発電した電力のうち、自家消費しきれなかった余剰の電力を電力会社に売る場合に発生する逆潮流。
  • 全量売電: 発電した電力のすべてを電力会社に売る場合に発生する逆潮流。この場合は、発電中は常に逆潮流が発生している状態と言える。
  • バンク逆潮流: 大量の逆潮流が変電所まで流れ込む現象で、電力系統の電圧を不安定にする可能性がある。

逆潮流のメリット・デメリット

逆潮流のメリット

  • 売電収入: 余った電力を電力会社に売ることで、収入を得ることができる。
  • 再生可能エネルギーの普及
  • 環境負荷の低減: 化石燃料への依存度を減らし、CO2排出量の削減に繋がる。

逆潮流のデメリット

  • 電力系統への影響: 大量の逆潮流は、電力系統の電圧を上昇させたり、周波数を乱したりする可能性がある。
  • 保護対策の必要性: 電力系統の安定性を保つために、逆潮流を防ぐための保護継電器(RPR)や制御装置が必要になる場合がある。
  • 系統連系の制約: 電力会社の系統の空き容量によっては、逆潮流が制限される場合がある。また、系統連系のための工事費や負担金が発生することがある。
  • 発電機会の損失: RPRが作動すると発電が一時的に停止し売電機会を損失する可能性がある。

逆潮流を防止する方法①(逆電力継電器の使用)

図:逆潮流なしの高圧連携設備例

上図に示すシステム構成例では、逆電力継電器(RPR)が逆潮流を防止する制御装置となる。
受電点に近い位置に設置されたRPRが一定の大きさ・時間の逆潮流電力を検出した際、太陽電池発電設備に対して出力停止信号を送り、発電設備の運転を完全停止させる。

RPRを用いた逆潮流防止方式のデメリット

50 kW出力中の発電設備がありうち49 kWが構内で消費され、1 kWだけ逆潮流が生じる場合であっても
50 kW分の出力すべてを停止させることになる。

またRPR動作によって発電が停止した後、潮流が順方向に戻っても
発電設備の再起動に一定時間を要するため、発電時間にロスが生じる。
この2点が原因で発電電力量の総量を下げることがデメリットとなる。

パワーコンディショナ(PCS)が複数台設置される太陽電池発電設備では
逆潮流状態が解消した後、複数台のPCSを同時に再連系させると
再び逆潮流状態となった途端にすべてのPCSが一斉に運転停止してしまうことがある。
それを回避するために個々のPCSの再起動時間をずらす設定にしておくことが求められるが
いずれにせよ、発電の時間ロスをゼロにすることはできない。

逆潮流を防止する方法②(逆電力継電器の使用)

RPRを用いた逆潮流防止方式では、逆潮流発生時間を超える長さの発電時間ロスが生じるが
そのロスがほとんど生じない方式がある。

受電点における電力の順方向(消費方向)の大きさを計測する電力計と発電電力を計測する電力計との差分を計量し、逆潮流が生じないようPCSの出力を微調整する方式。
※2つの電力計を用いるこの差分計量方式は、外部信号によって出力を微調整できる機能を持つ専用PCSでなければ導入できない。

このタイプのPCSは「負荷追従型PCS」と呼ばれることがある。

参考資料

新電気2022年6月号「現場の電気保安実務 第194回自家消費型太陽光発電設置上のトラブル」より一部引用

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