停電発生の対応を下図に記載
非常用予備発電機が設置されている場合
非常用予備発電装置が設置されている施設では、まず運転状況と送電範囲を確認することが重要です。非常用予備発電装置には、施設内の保安用電源や、停電時に大きな被害が発生する可能性がある負荷が接続されています。そのため、発電機が連続して運転できるかどうか、また重要な負荷が適切に稼働しているかを確認する必要があります。
①地絡・過電流による停電(全停電)
②配電線の停電(全停電)
③電気使用設備の地絡や短絡(部分停電)
④負荷増による過電流(部分停電)
⑤保護装置の誤動作(部分停電)
⑥断線や接触不良(欠相)
停電の主な原因は設備自体に欠陥があるもの、設備の保守に問題があるもの、台風や雷等自然現象などの不可抗力によるものが多い。
大きく分けて、全停電、部分停電、欠相の3種類
全停電の原因
高圧受電設備の受電保護用の地絡保護装置(GR)や過電流保護装置(OCR)が動作することによる停電がほとんどである。
地絡による停電
高圧電路が大地との絶縁破壊を起こし地絡が生じると、責任分界点に設置してあるPASやUGSなどに付属している地絡保護継電器が動作して構内が全停電する。
過電流による停電
電路の過電流は、電気設備の過負荷と短絡の2つに分けられる。
電気機器の使い過ぎや機器故障による電流の増加、電動機の突入電流などによって発生する。
電路の線間の絶縁破壊によるもので、定格電流の数十倍の大きな電流が流れる。
過電流が流れた際には、主遮断装置の過電流保護装置が動作して構内が全停電する
主遮断装置の主な組み合わせとして
過電流継電器(OCR)+高圧交流遮断器(VCB)
負荷開閉器(LBS)+電力ヒューズ(PF)
がある。
配電線による停電
電力会社の配電設備が停電するものであり、自構内だけでなく、近隣の設備も停電するもので、次のような場合に発生する可能性がある。
高圧受電設備の中には、各系統の必要な個所に過電流or地絡に対する保護装置が設置されているため、高圧側の各系統保護装置が働いた場合には部分停電になる可能性がある。
低圧側の保護装置が作動した時の主な原因(参考)
高圧受電設備は、三相3線式を使用しているが、3線の内1線or2線が接触不良や断線などにより正常な電力供給ができなることがある。これを欠相という。
電動機の場合、欠相状態で運転すると過電流により機器が損傷する場合がある。
電灯の場合、電灯回路のほとんどで単相3線式電路を使用しているが、中性線が欠相すると異常電圧が生じ電気機器に焼損被害が発生する場合がある。