住宅用太陽光発電システムは、自宅の屋根などに設置した太陽光パネル(太陽電池モジュール)を
使って太陽の光エネルギーを直接電気に変換し
家庭内で利用したり電力会社に売電したりするシステム。
システムの仕組みと主要な構成機器
太陽光発電システムは主に以下の機器で構成され、発電から利用・売電までを一連の流れで行う。
【発電から利用までの流れ】
- 太陽光パネルが太陽光を受け、直流の電気を発電。
- 接続箱で電気を一本にまとめ、パワコンへ送る。
- パワコンが直流を交流に変換し、使用可能な電気にする。
- 発電した電気は、まず家庭内で消費される(自家消費)。
- 使いきれずに余った電気は、売電メーターを通じて電力会社に売却される(売電)。
住宅用太陽光発電システム導入のメリット・デメリット
メリット
- 電気代の削減と売電収入
- 発電した電気を家庭内で使用することで
電力会社から購入する電気の量が減り、電気代が削減できる。
- 余った電気はFIT制度(固定価格買取制度)などに基づき電力会社に売電でき、副収入が得られる。
- 災害時の非常用電源
- 停電時でも、太陽が出ていれば発電した電気を非常用電源として利用できる。
蓄電池と組み合わせれば夜間も利用可能。
- 環境への貢献
- 発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない、クリーンなエネルギーであるため
地球温暖化対策や脱炭素社会の実現に貢献できる。
デメリット
- 導入コスト(初期費用)
- 太陽光パネルやパワコンなどの機器、設置工事費などで
まとまった初期費用がかかる。ただし、近年は低価格化が進み、補助金制度を利用できる場合もある。
- 天候による影響
- 発電量は日照量に左右されるため、天候や季節(梅雨、冬など)によって発電効率が低下する。
※夜間は発電できない。
- メンテナンス費用
- 長く安定して稼働させるために
定期的な点検やパワーコンディショナーなどの機器の交換が必要になり
維持費用がかかる。
- 設置条件
- 屋根の向き(南向きが理想)、大きさ、傾斜、築年数、周囲の
建物による影の影響など、設置に適さない家もある。
参考資料
関西電気保安協会 電気と保安 2025年9・10月号「でんきなお知らせ」
住宅用太陽光発電システムとの上手な付き合い方より画像引用