デマンド監視装置とは
「電気の『基本料金』を安くするために、電気の使いすぎを監視・抑制するシステム」のこと。
工場、ビル、スーパーマーケットなど、高圧電力(50kW以上)を利用している施設で非常に重要な役割を果たす。
デマンド監視装置を理解するには
日本の高圧電力の料金システムにある「30分ルール」を知る必要がある。
デマンド値とは
30分間の平均使用電力(kW)のこと。
基本料金の決まり方
電力メーターは
30分ごとのデマンド値を計測し続ける。
その月の中で「最も高かったデマンド値(最大需要電力)」が
その月の契約電力の計算基準になる。
もし一度でも高いデマンド値を記録してしまうと
その後の1年間、その高い値を基準に基本料金が請求され続けることになる。
→たった30分間だけ電気を使いすぎただけで、1年間の基本料金が跳ね上がってしまうことになる。
これを防ぐのためにデマンド監視装置が必要となる。
装置は通常、電気メーター(パルス信号)に接続され
リアルタイムで電力を監視される。
① 計測と予測(見える化)
現在の使用量を測るだけでなく
「今のペースで使い続けると、30分後にはこのくらいになりますよ」という予測値を算出する。
② 警報(アラーム)
設定した目標値(契約電力など)を超えそうになると
予測段階で警報を鳴らす。
③ 自動制御(デマンドコントロール)
エアコンや室外機などの設備と連動させ、目標値を超えそうになった瞬間に
自動的に空調を弱めたり停止させたりして、デマンド値を強制的に抑える機能を持つものもある。
電気基本料金の削減
ピーク(最大需要電力)を抑えることで、契約電力を下げることができ
毎月の固定費である基本料金を直接的に削減することができる。
省エネ意識の向上
いつ、どれくらい電気を使っているかがグラフなどで「見える化」されるため
無駄な電力使用を発見しやすくなる。
設備の保護
過剰な電力使用を防ぐことは
変圧器などの受電設備の負荷軽減にもつながる。
デマンド監視装置は、単なるモニターではなく、「電気代(固定費)を削減するための投資」となる。
導入にかかる費用(機器代・工事費)と、削減できる電気代をシミュレーションし
長期間の正しい運用で元が取れるケースが多いのが特徴となる。