「間欠漏電(かんけつろうでん)」とは
時々発生しては消えてしまう、厄介なタイプの漏電のこと。
電気工事士や管理技術者にとって、これほど特定が難しい現象である。
なぜなら、調査に行ったタイミングでは「正常」に戻っていることが多いから。
通常の漏電の特徴
配線の被覆が破れたり機器が故障したりして、電気が常に漏れている状態となっている。
この場合、漏電ブレーカーを上げてもすぐにまた落ちるため、原因箇所(回路)の特定は比較的容易。
間欠漏電の特徴
雨や湿気(天候要因)
機器の動作サイクル(機器要因)
常に通電している部分ではなく、機器が特定の動作をした時だけ電気が流れる部分での漏電。
振動や熱膨張
電気工事士は通常、「絶縁抵抗計(メガー)」という道具を使って調査するが
間欠漏電の場合、以下のようなことが起こり特定できない場合が多い。
もしご自宅や管理物件で「時々ブレーカーが落ちる」現象が起きている場合、
以下の手順で絞り込んでいく。
ステップ1:記録をつける
いつ落ちたかの共通点を見つけること。
ステップ2:怪しい機器の切り離し
屋外の防水コンセントからプラグを抜いたり
古い家電(特に水回りや冷蔵庫)のコンセントを別の回路に移してみたりして、様子を見る。
ステップ3:「リーククランプメーター」での監視
通常の絶縁抵抗測定では見つからないため、データロガーを用いて
「漏れ電流(Io)の常時監視」を行う。
間欠漏電は一度で原因が特定できないことが多く
解決に時間がかかるトラブルとなる。
「ブレーカーを上げれば使えるから」といって放置するのは危険の考えを持つこと。
漏電遮断器が動作しているということは、実際に電気が漏れており
状況が悪化して最悪の場合、感電事故や火災につながる恐れがある。
頻繁にブレーカーが落ちる場合は
すぐに電気保安協会や電気工事店に相談することを推奨される。