1Pブレーカーについての基礎知識まとめ

電気のスイッチや安全装置の基本となる部品だが
一般家庭で見るもの(2P1E)と、工場や機械の中で見るもの(1P)は少し意味合いが異なる。

1Pブレーカーについての概略

「1P」は「1 Pole(ワン・ポール=1極)」の略のこと。
=「1本の電線だけを遮断(ON/OFF)するブレーカー」のことを指す。

基本的な特徴

  1. 入出力が各1つ
    電線が入る穴が1つ、出る穴が1つしかない(または端子が1対)。
  2. サイズが小さい
    通常のブレーカーの半分の幅(約17.5mmなど)で作られていることが多い。
  3. 片側遮断
    回路の「電圧側(L)」だけを切り
    「中性線(N)」は切らずにそのまま通過させる(あるいは中性線はブレーカーを通さない)使い方をする。

「1P」と「2P1E」ブレーカーの違いについて

日本の一般家庭の分電盤に付いている「100V用の小さなブレーカー」は
見た目が似ているが、多くは「2P1E」というタイプであり、純粋な「1P」とは異なる。

種類1Pブレーカー (1極)2P1Eブレーカー (2極1素子)2P2Eブレーカー (2極2素子)
用途機械内部、制御盤一般家庭の100V回路200V回路 (エアコン等)
切る線の数1本 (Lのみ)2本 (LとN両方)2本 (L1とL2両方)
過電流検知1本で検知1本(L)だけで検知2本両方で検知
安全性N線は繋がったまま両方切れるので安全両方切れるので安全
サイズ非常に細い (slim)標準サイズ標準サイズ

家庭(2P1E)での仕組み

日本の家庭(単相3線式)では、安全のために
「過電流のチェックは片側(L)でするが、スイッチを切るときは両方(LとN)を切る」という2P1Eが標準的。

これにより、メンテナンス時に完全に電気が遮断され
感電事故を防ぐことができる。

工場・機械(1P)での仕組み

制御盤の中や、機器の内部保護用として1Pブレーカーが使われることが多い。

メリット: 場所を取らない(省スペース)、コストが安い。

デメリット: ブレーカーを切っても、もう片方の線(中性線)は繋がったままになる。

1Pブレーカーの点検時の注意点とリスクについて

感電のリスク(極性)

1Pブレーカーは必ず「電圧側(L / Live)」に
設置しなければならない。

もし誤って「接地側(N / Neutral)」に1Pブレーカーを入れてしまうと
ブレーカーが落ちても、器具には電圧がかかり続ける状態になる。
この状態で器具を触ると感電する。

一般住宅の分電盤には基本使わない

現在の内線規程(電気工事のルール)では
住宅の分岐回路には、安全のため2本とも切れるスイッチ(2P1Eまたは2P2E)を使うのが原則。

古い建物や、特殊な増設盤でない限り
家の分電盤に純粋な「1Pブレーカー」が付いていることは稀となる。

まとめ

  • 1Pブレーカー
    電線を1本だけ切るスイッチ。
    主に工場の制御盤や機械の中で使われる。省スペース。
  • 2P1Eブレーカー
    電線を2本切るが、監視は1本だけするスイッチ。
    一般家庭の100Vコンセントや照明に使われる標準的なもの。

もし、「家のブレーカーを交換したい」あるいは「増設したい」と考えていて
ホームセンターやネットで「1P」という表記を見かけた場合は
家庭用なら「2P1E」を選ぶのが正解であるケースがほとんど。

名無し管理事務所