通常、高圧設備(6.6kVなど)の絶縁状態は
停電させて絶縁抵抗計(メガー)で測るが、無停電点検では
電気が流れたままの状態を維持するため、別の方法が必要となる。
ウルトラフォンを用いた場合
「部分放電(Partial Discharge)」を捉える技術を有しているため
絶縁が弱まった箇所では、目に見えない微小な火花放電(コロナ放電など)が発生し
そこから40kHz付近の超音波が放出される。
ウルトラホンはこの音をキャッチし
人間が聞こえる「パチパチ」という音に変換(ヘテロダイン変換)してくれる。
単に数値が出るだけの測定器と違い
音として聞くことには以下のメリットがある。
異常の種類の特定
放電なら「パチパチ」といった特有の音を耳で確認することで
ノイズ(風の音など)と本物の異常を正確に聞き分けらることができる。
直感的な探査
音の強弱や変化をリアルタイムで聞くことで
目に見えない漏れ箇所や放電箇所を効率よく絞り込める。
ウルトラホンを使うことで、以下のようなトラブルを未然に防ぐことができる。
トラッキング現象
碍子(がいし)の表面に埃や水分が付着し
電流の通り道ができて放電している状態。
接触不良
ケーブルの端子部などが緩み
そこから微細な放電が発生している状態。
絶縁体のひび割れ
内部の空隙(ボイド)で放電が発生し
超音波が漏れ出している状態。
点検現場(キュービクル内など)では
以下のような手順・方法で使用される。
① 集音によるスクリーニング
まずは広範囲をスキャンする。
放電箇所が特定できていない場合、放物面型の集音器(集音パラボラ)を取り付けた
ウルトラホンを使い、遠くから怪しい箇所を探る。
② 箇所の特定(ピンポイント)
異常音が聞こえたら、レーザーポインターを
併用して正確な位置を絞り込む。
ウルトラホンは指向性が強いため、「どこから音がしているか」を非常に正確に特定が可能。
③ 音による判別
単なる数値だけでなく、音の質感で状況を判断する。
| メリット | 内容 |
| 安全性 | 充電部に触れることなく、安全な距離(離隔距離)を保って測定可能。 |
| コスト削減 | 停電作業に伴う工場のライン停止や、休日出勤のコストを抑えられる。 |
| 早期発見 | 絶縁抵抗計では捉えにくい、電圧がかかっている時特有の異常を発見できる。 |
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ムサシインテック ウルトラホン SE-55FD カタログより画像引用