高圧ケーブルにおけるストレスコーンについての備忘録

ストレスコーンの概略

図:高圧ケーブルの端末処理時の電気力線と等電位線
左:ストレスコーンがない場合 右:ストレスコーンがある場合

高圧ケーブルの端末処理において、ストレスコーンは非常に重要な役割を果たす。
高圧ケーブルの両端は電線や高圧機器に接続されるが
このときの端末処理で遮へい層をはぎ取る。
通常、遮へい層と導体との間の絶縁体には、均一な電界(電位差)が生じているが
遮へい層をはぎ取ると、ケーブル端末部の電界は、上左図のように遮へい層の切断部近くに集中し
ここにストレスがかかり、ケーブルの耐電圧性能は、大きく低下することになる。

この場合、上右図のように、遮へい層の切断点近くに絶縁テープで円錐体を作ることにより
電界の集中を緩和することができる。
これをストレスコーンといい、端末処理作業の重要な部分となる。
以前は、ストレスコーンを絶縁テープと鉛テープで作成していたので
作成者の技量により耐電圧性能が左右される場合があったが
近年はストレスコーンを工場で成形しておき所要の寸法で挿入すればよい、差込式工法が一般的となっている。


ストレスコーンの仕組み

ストレスコーンは、遮へい層の端部から導体に向かって
ラッパのような形に広がる構造をしている。

形状による緩和

遮へい層(接地側)の端を物理的に広げることで
電気力線の密度を下げ、電界をなだらかにする。

等電位線のコントロール

電位の等しい点を結んだ「等電位線」が急激に曲がらないよう
理想的なカーブを描かせることで局所的な負担をなくす。

    ストレスコーンの種類と特徴

    左図:テープ巻き形(CV) 右図:ゴムとう管形(CVT)

    現場での施工方法によって、大きく3つのタイプがある。

    種類特徴施工方法
    テープ巻き形絶縁テープと半導電性テープを
    巻きつける
    熟練の技術が必要だが
    形状の自由度が高い
    差し込み形(プレモールド)工場で成形されたゴム製の部品を
    差し込む
    施工が容易で品質が
    安定する(現在の主流)
    熱収縮・冷縮形チューブを被せて加熱、または芯材を抜いて密着させる狭い場所での施工に向いている

    ストレスコーン施工時の注意点

    電気主任技術者や施工担当者が最も気をつけるべきポイントは「異物の混入」と「密着性」となる。

    キズ・汚れの厳禁

    絶縁体の表面に小さなキズや、手垢、ホコリが付着していると
    そこが新たな電界集中点となり、数年後に事故(トラッキング現象)を起こす原因になる。

    半導電層の段差

    遮へい層や内部半導電層の切り口に段差があると、そこにストレスがかかる。
    そのため滑らかに仕上げることが重要となる。

    ななし

    はじめまして、当ブログ「名無し電気管理事務所」を運営している名無しと申します。 ここでは、私の経歴や当ブログの運営目的についてご紹介します。 1. 保有資格 実務に関わる以下の国家資格を保有しています。 第3種電気主任技術者(2023年取得) 第1種電気工事士 建築物環境衛生管理技術者 2. 経歴・実務経験 電気保安・ビルメンテナンスの業界で約7年の実務経験があります。 現在は電気保安法人にて、保安業務従事者として勤務しています。