高圧受電設備(キュービクルなど)における「相関短絡(そうかんたんらく)」は
高圧電路の異なる相の電線(例えばR相とS相、あるいはS相とT相など)同士が
非常に低い抵抗値で直接つながってしまう(ショートする)現象のこと。
高圧受電設備における事故の中でも特に深刻な部類に入り
電気管理技術者や保安法人の担当者が最も警戒すべき事故の一つとなる。
通常、高圧電路(日本の一般的な高圧受電では 6,600V)の各相は
十分な空間距離(絶縁距離)や支持物(がいし)によって絶縁されている。
しかし、何らかの理由でこの絶縁が破壊されると、相間に激しい電流が流れる。
短絡時の電流(短絡電流)は、通常の負荷電流の数十倍から数百倍に達することがあり
数千アンペア(kAクラス)の巨大なエネルギーとなる。
過渡的な要因(波及事故に多い原因)
経年劣化・絶縁低下
人的ミス(作業者過失)
① 激しいアーク放電と機器の損壊
数千ボルトの電圧で短絡が起きると、爆発的な「アーク(電気火花)」が発生する。
これにより周囲の金属が瞬時に融解・気化し、激しい爆風と高熱によって
キュービクル自体が大きく変形・破損したり、火災に至る可能性がある。
② 波及事故(電力会社系統への影響)
受電設備内の保護協調が正しく機能しなかったり
遮断器の能力を超えた短絡電流が流れたりすると
電力会社側の配電線にある「配電用変電所の遮断器」が作動する可能性がある。
相関短絡が原因で、自社だけでなく周辺の地域一帯(近隣の工場やビル、一般住宅など)を
巻き込む大停電(波及事故)を引き起こし、巨額の損害賠償責任が発生するリスクがある。
③ 電磁吸引力による破壊
大電流が並行する導体に流れることで、強力な電磁力(電磁吸引力・反発力)が働く。
これにより、母線(バスバー)や支持がいしが物理的にへし折られるといった機械的破壊が起こる可能性がある。
相関短絡事故の被害を最小限に抑える(または未然に防ぐ)ために
高圧受電設備には以下のような保護システムと対策が施されている。
電気的保護(遮断と保護協調)
ハードウェア・運用の対策