PCBは、Polychlorinated Biphenyls(ポリ塩化ビフェニル)の略称で
人工的に作られた油状の化学物質のこと。
日本では1954年から製造され、以下の優れた特性から様々な用途で利用されていた。
PCBの特性
主な高圧使用機器
PCBは「油症」と呼ばれる健康被害(カネミ油症事件)を引き起こしたことや
環境中で分解されにくく、生物の体内に蓄積されやすいという特性(難分解性、生体蓄積性)が判明し
その毒性が明らかになったため、日本では1972年に製造が中止された。
PCB廃棄物は、そのPCB濃度によって
大きく「高濃度PCB廃棄物」と「低濃度PCB廃棄物」に分類される。
高濃度PCB廃棄物
PCBが意図的に使用された電気機器などで
PCB濃度が0.5mg/kg(=ppm)を超えるものが該当する。
これらはJESCO(日本環境安全事業株式会社)という国が設立した特殊な施設で処理される。
低濃度PCB廃棄物
微量PCB汚染廃電気機器等
PCBを使用していないはずの電気機器の絶縁油に、微量のPCBが非意図的に混入していることが判明したもの。
この混入は、再生油の使用や製造工程でのクロスコンタミネーション(意図しない混入)が原因と考えられている。
低濃度PCB含有廃棄物
微量PCB汚染廃電気機器等以外の、PCB濃度が0.5mg/kgを超え、以下の基準値以下のPCB含有廃棄物を指します。
「PCB濃度が0.5mg/kgを超えているが、高濃度PCBの基準値よりも低いもの」が
低濃度PCBに該当する。
特に「微量PCB汚染廃電気機器等」は、製造中止後に製造された機器にも
PCBが混入している可能性があるため、注意が必要。
低濃度PCBは、高濃度PCBに比べて濃度は低いものの、環境中に排出されると
以下のような問題を引き起こす可能性がある。
出荷時点における低濃度PCB汚染が考えられる高圧電気工作物
電気事業法の電気関係報告規則に従って管轄の経済産業省産業保安監督部に届出を行う。
低濃度PCB廃棄物の処理期限は、令和9年(2027年)3月31日までと定められている。
高濃度PCB廃棄物の処理はすでに終了しているが、低濃度PCB廃棄物の処理は現在も進行中である。
期限が迫っており、処理施設の予約状況や処理能力に影響が出る可能性もある。
期限内に処理を完了できなかった場合、事業者には行政指導や罰則が科せられる可能性がある。
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低濃度PCBに汚染された電気機器等の早期確認のための調査方法及び適正処理に関する手引き