電気機器によって意味が異なる定格電流についての備忘録④(照明器具と配線器具の場合)

許容電流の概略

導電材料には、導電率の極めて高い銅であっても抵抗があるので
電流が流れるとジュール熱が発生し、温度が上昇する。

このため、流せる電流には限界がある。
電気機器では、電流を多く流すほど出力を大きくすることができるが、これにも限界がある。

電線や電気機器などを使用するためには、どのくらいまで電流を流せるのか目安となる電流値が必要で
この目安となる電流値として定められているのが、定格電流許容電流となる。

定格の主な分類

電気機器の定格は、その機器がどのような時間的なパターンで使用されるかを前提にして
主に以下の3つに分類される。

連続定格

  • 特徴: 指定された条件で、連続して(休みなく)使用することを前提とした定格。
  • 主な適用: 通常の多くの電気機器は、この連続定格を前提に設計されている。

短時間定格

  • 特徴: あらかじめ決められた短い時間だけ使用することを前提とした定格。

反復定格(断続定格)

  • 特徴: 使用と停止を周期的に繰り返す、断続的な使用方法を前提とした定格。
  • 主な適用: クレーンや電車などの電動機(モーター)のように
    動かしたり止めたりを頻繁に繰り返す機器に使用される。

照明器具の場合の定格電流

照明器具の規格

JIS C 8105-1(照明器具:安全性要求事項通則)で
入力電流とは
通常の使用状態の照明器具が、定格電圧および定格周波数で安定したときの電源端子における電流
と定められている。
また、「照明器具には、指定された情報を容易に消えない方法で明瞭に表示しなければならない」と定められています。指定された情報に入力電流が含まれる。

照明器具の定格電流具体例

照明器具の定格電流は入力電流を基準としていることがわかる。
上図に、入力電流の銘板への記載例を示す。
入力電流は0.62~0.26 Aとなっている。

照明負荷

照明負荷のほとんどは、定格入力で使用されているため
常時、定格電流が流れており、負荷変動はほとんどない。
このため、将来の増設等を考慮しないのであれば、照明負荷へ電力を供給する電源側機器の容量は
それほど余裕を見込む必要はない。

配線器具類の場合の定格電流

配線器具類の規格

配線器具類の規格のうち差込プラグやコンセント等については
JIS C 8303(配線用差込接続器)、スイッチ等については JIS C 8304(屋内用小形スイッチ類)が該当する。

規格では常温(5~35℃)において
定格電流を流した場合の接触部分の温度上昇の限界値が定められている。
また、具体的な温度上昇の試験方法については、JIS C 8306(配線器具の試験方法)で規定されている。

配線器具類の定格電流

上記の規格から、配線器具類の定格電流は、主として接触部の温度上昇から決められていることがわかる。
上図に、定格電流の銘板への記載例を示す。

小形スイッチ類

低圧回路に使用する配線器具類の中でも、負荷電流を投入・遮断する小形スイッチ類は
負荷の種類によっては大きな突入電流の流れる回路で使用することがある。
この場合突入電流が、接触部分の溶着や接触不良の原因になるので
使用電流は定格電流よりかなり小さい値に抑制すべきとなる。

参考資料

新電気2023年2月号「現場のギモン?解決塾田沼 和夫第31回 定格電流と許容電流」より一部引用

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