定格電流(ていかくでんりゅう、Rated Current)とは、電気機器や電線などが
設計上、連続して安全かつ正常に流すことができる最大の電流値のこと。
単位はアンペア (A)
定格電流は、機器や電線の安全性を確保し、本来の性能を発揮させるために非常に重要な指標。
機器を選定したり、回路を設計したりする際には、必ず定格電流を考慮する必要がある。
目次
機器の種類と定格電流の例

- 電線・ケーブル: 許容電流とも呼ばれ周囲温度などの条件のもとで連続して安全に通電できる最大の電流値を示す。これを超える電流を流すと、過熱により絶縁体が損傷し、短絡や火災の原因となる可能性がある。
- ブレーカー(遮断器): 定格電流は、ブレーカーが保護する回路に流れる通常の最大電流を示す。また、定格遮断電流は、事故時に安全に遮断できる最大の電流値を示す。
- 電動機(モーター): 定格電流は、モーターが定格出力で運転している際に流れる電流値のこと。
これを超える電流が継続して流れると、過負荷となり、モーターの焼損につながる
可能性がある。 - 変圧器: 定格電流は、定格容量および定格電圧に基づいて計算される、一次側および二次側に流れる電流の設計値のこと。
- 半導体素子(トランジスタ、ダイオードなど): 定格電流は、素子が連続して安全に流すことができる
最大の電流値。これを超える電流を流すと、素子が破壊される
可能性がある。 - 家電製品: 定格電流は、製品が定格電圧で使用される際に流れる電流値。
定格電流の重要性

- 安全性の確保: 定格電流を超える電流を流すと、過熱、絶縁破壊、火災などの事故につながる可能性がある。
- 機器の寿命維持: 定格電流以内で使用することで、機器の寿命を最大限に延ばすことができる。
過負荷運転は、機器の劣化を早める原因となる。 - 回路設計: 電気回路を設計する際には、負荷に必要な電流を正確に把握し
それに見合った定格電流を持つ電線や保護機器を選定する必要がある。 - 保護協調: 配線用遮断器(MCCB)や漏電遮断器(ELCB)などの保護機器は
定格電流や過負荷電流に対する動作特性が定められている。
適切な保護協調を図るためには、負荷の特性と保護機器の定格電流を整合させる必要がある。
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