工事計画から使用前安全管理審査までの流れ
大規模な需要設備などを設置・更新する際は
工事計画の届出と安全管理審査が必要となる。
対象となる設備を受審するまでの大まかな流れは上図の通り。
主な対象設備例
●工事計画届の受理後30日が経過するまでは工事開始不可となるので、スケジューリングに注意が必要。
●電気事業法施行規則第73条の2の2に規定される設備(大気汚染防止法に
規定されるばい煙発生施設など)は、使用前安全管理審査は対象外となる。
使用前自己確認の流れ
再生可能エネルギー発電設備など、一定規模の設備においては「使用前自己確認」という手続きが求められる。
実施の流れは上図の通り。
主な対象設備例(電気事業法施行規則別表第六、七)
●使用前自己確認の結果は使用開始までに提出しなければならないため
使用開始日(連系日)から逆算して手続きを進める必要がある。
●新設に限らず、既存設備に対象設備の増設、取替え、改造、修理をする場合も
使用前自己確認結果の届出が必要。
法令改正による対象範囲の拡大(令和5年3月施行)
再生可能エネルギーの普及と安全確保の観点から
小規模な発電設備に対する規制が見直された。
令和5年3月20日運転開始の発電設備から使用前自己確認の範囲が拡大されている。
特に実務で影響が大きいのは太陽光発電設備となる。
以前は50kW以上が主な対象だったが、現在は「出力10kW以上」から対象となっており
小規模な屋根置き太陽光や事業所向けの自家消費型太陽光でも手続きが必須となるケースが急増しています。
「30日ルール」の厳守と関係者間の連携
工事計画届の「受理後30日経過しないと着工できない」というルール は
工期に直結するシビアな要件となる。
実務上、施主や施工業者がこのルールを把握しておらず
「部材が届いたから明日から着工したい」と見切り発車しようとするトラブル多い。
電気主任技術者としては、計画段階の早い段階で関係者全員に
「着工不可期間」を周知し、工程表に明確に組み込ませることが重要となる。
新設時の手続きで最も見落としがちなのが「既存設備の改修・更新時」となる。
工事計画届の「30日ルール」を破って着工した場合
工事計画届は、届出が受理されてから「30日を経過した後」でなければ
工事を開始してはならないと規定されている(電気事業法 第48条第2項)。
これを見切り発車で着工してしまった場合の罰則。
行為者(担当者や現場責任者)が罰せられるだけでなく
法人に対しても同額(300万円以下)の罰金が科される両罰規定が適用される。
使用前自己確認を行わずに運転開始した場合
一定規模の発電設備などで義務付けられている「使用前自己確認」を実施せず
国(産業保安監督部)への結果届出を行わないまま運転(売電や自家消費)を開始した場合
または虚偽の届出を行った場合の罰則。
こちらも法人に対する両罰規定の対象となる。
罰則以上の「実務上のペナルティ」の可能性
法令違反が発覚した場合、罰金刑だけでなく
事業そのものに直結する以下のような深刻なダメージを受けるリスクもある。
https://www.safety-kanto.meti.go.jp/electric/e_seminar2025.html
令和7年度電気主任技術者セミナー実施概要 より一部引用
法令データ
e-Gov法令検索「電気事業法」「電気事業法施行規則」
(罰則規定、工事計画届・使用前自己確認の対象要件)
経済産業省
令和5年3月20日施行「小規模事業用電気工作物の保安規制について」
(出力10kW以上の太陽光発電設備等に対する使用前自己確認の義務化等)
産業保安監督部
自家用電気工作物に係る「工事計画届出」「使用前自己確認結果届出」手続き案内