接地抵抗測定時補助極が打ち込めないときの対処法

接地抵抗測定とは

接地抵抗とは、接地された導体と大地の間の抵抗とされている。

左図のように接地極Eに補助接地極P, Cを用いて交流の試験電流Iを流すと
電圧降下の分布は右図のような電位分布となり、その中間点の電圧降下
補助接地極Pの位置を変えても電圧がほぼ一定となる部分がある。

左:接地抵抗測定の原理図 右:電位分布図

このP点の電圧降下EP​を試験電流Iで割った値RX​が
接地極Eの接地抵抗となる。

RX​=EP/I​​ [Ω]

絵解き 電気設備の保守と試験「接地抵抗の測定」より画像引用

接地抵抗測定時補助極が打ち込めないときの対処法

測定周辺の地面がコンクリートで覆われているときには補助極を打ち込めないため、以下の方法を測定するときがある。

対処法

使用推奨条件

地表面がコンクリートで、補助接地棒を打ち込むことができない場所。

接地網(銅糸で編んだ網:30cm四方の大きさ)を用いて測定する方法がある。
接地網を補助接地の位置に地表と密着するように敷き
それぞれの接地網に補助接地棒PとCを横ににして置く。
それぞれの接地網に水をかけ、地表との接触をよくして測定を行う。

地表面がコンクリートの場合は、接地網を用いて測定できることが多いが
アスファルトの場合は絶縁物なので測定が困難だが
アスファルトの所でも、近くにコンクリート製の側溝を利用すれば測定が可能。

絵解き 電気設備の保守と試験「接地抵抗測定」より画像引用

対処法

●需要家内地上に引き込み用高圧キャビネットが存在し、A種接地がキュービクルとの共用接地の場合、地上での測定が可能。

●1階電灯分電盤から測定する場合。停電後、キュービクル内の1階ブレーカー投入により、B種抵抗の測定が可能となる。

変圧器のB種接地工事を補助接地極として利用する場合は
漏電していないことを確かめてから接続すること。

※計測値の正確性に欠け、接地抵抗値の故障にもつながる可能性がある。

新電気2024年4月号「新人技術者奮闘記」より画像引用

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