電気腐食には、ガルバニック腐食(異種金属接触腐食)と電流腐食の2つの現象を指す。
現象
異なる種類の金属が電気的に接触し、電解質(水分など)が存在する環境下で起こる腐食。
電気化学的な反応により、イオン化しやすい金属が優先的に腐食し、
イオン化しにくい金属の腐食は抑制される。
→イオン化傾向で決まる
メカニズム
2種類の金属間に電位差が生じ、電池のような状態になる。卑な金属が陽極(アノード)となり溶解し、
貴な金属が陰極(カソード)となる。
例: 鉄製のネジでアルミニウム板を固定した場合、アルミニウムの方が卑なため腐食しやすくなる。水道管の異種金属接続部などで発生することもある。
現象
迷走電流など、意図しない経路を流れる電流によって発生する腐食。
メカニズム
電流が金属から電解質へ流れ出す部分(陽極)で金属がイオン化して溶解し、腐食が進行する。
例: 地中に埋設された金属配管の近くを通る鉄道のレールからの漏洩電流などが原因となることがある。
ベアリングに電流が流れることで発生する電気的腐食(Electrical Corrosion)もこの一種。