一般の電気工作物は電気事業法に基づき経済産業省が管轄しており
技術基準として「電気設備に関する技術基準を定める省令」(通称「電技」)が適用されている。
一方で、一般的な鉄道や路面電車、ロープウェイ、トロリーバスなどの事業で使用される「鉄道用電気施設」は
国土交通省が管轄しており「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」(通称「鉄道技術基準省令」)などの
技術基準が適用される。
具体的には、鉄道専用敷地内の電気設備、電車線やレール、電気鉄道用変電所といった電気鉄道特有の施設には
「電技」ではなく「鉄道技術基準省令」が適用されることが多く、これらに基づいて維持管理を行うほか
工事を実施する際は鉄道事業法に基づいて国土交通大臣に認可申請や届出を行う。
※「電技」のうち通信障害・地磁気観測障害・電食障害の防止など、鉄道用地外への一般公衆への危害の防止に係わる規定は鉄道用電気施設にも適用される。
経済産業省は、日本の経済産業政策を推進する省庁であり
産業の発展、貿易の振興、エネルギーの安定供給などを主な任務としている。
具体的な管轄範囲は多岐にわたるが、主要なものは以下の通り。
産業
貿易・投資
エネルギー
情報・通信
地域経済
その他
国土交通省は、日本の国土の開発・整備、社会資本の形成、交通政策の推進などを主な任務とする省庁。
国民の生活基盤となる国土、交通、住宅に関する幅広い分野を管轄している。
主な管轄範囲は以下の通り。
両省庁の管轄範囲は完全に独立しているわけではなく、相互に関連する分野も多く存在する。
例えば、産業の発展にはインフラ整備が不可欠であり、経済活動は交通ネットワークに大きく依存する。
そのため、両省庁は必要に応じて連携し、政策を推進している。
原則として、一般の電気工作物は経済産業省が管轄する電気事業法に基づいて規制されるが
鉄道事業で使用される電気施設は、その特殊性から国土交通省が管轄する鉄道事業法や鉄道に関する
技術上の基準によって規制される。
これは、安全確保の観点から、それぞれの事業特性に応じた専門的な規制が必要とされるため。