テスターは、単一の測定項目だけでなく
複数の項目を測定できるため「マルチ」メーターと呼ばれる。
測定項目
電圧 (V)
直流電圧 (DCV)
乾電池、バッテリー、USB電源、太陽光パネルなど、方向が一定の電圧を測定する。
目盛値に、そのときの倍数をかけて電圧値を読みとる。
※測定前に極性(+,-)を確かめることが必要。
交流電圧 (ACV)
家庭用コンセント、商用電源など、時間とともに大きさと方向が変化する電圧を測定する。
交流電圧の測定は、回路計に内蔵された整流器で直流に変換し、これを指示している。
可動コイル形計器の動作は平均値であるため、これを実効値で指示するよう目盛ってある。
電流 (A)
抵抗 (Ω)
電気の流れにくさを示す抵抗値を測定する。
断線の有無や、抵抗器の抵抗値の確認などに使う。
テスト棒の金属部に、手が触れないように測定。
抵抗に電流が流れている場合は測定不能。
導通 ( continuity )
回路が電気的につながっているか（断線していないか）をブザー音や表示で確認する。
ダイオードテスト
ダイオードの順方向電圧降下を測定し
正常に機能しているか（一方向にだけ電流が流れるか）を確認する。
LEDの点灯確認などにも使える。
静電容量 (F)
コンデンサーの容量を測定する。
周波数 (Hz)
交流信号の周波数を測定する。
温度 (テスターによる)
専用のプローブを使用することで温度測定が可能なモデルもある。
アナログ式テスターは、電気回路の電圧、電流、抵抗などを一つの機器で測定できる多機能測定器。
針の振れによって測定値を読み取るのが最大の特徴です。
アナログ式テスターの核となるのは、可動コイル型直流電流計。
このメーターが、測定する電気量に応じて内部の回路を切り替えることで、様々な測定を可能にしている。
電流の測定
メーターと並列にシャント抵抗（分流器）を接続する。
測定電流の大部分をこのシャント抵抗に流し、ごく一部だけをメーターに流すことで
メーターが破損することなく大電流を測定できる。
電圧の測定
メーターと直列に倍率器（直列抵抗）を接続する。
高い抵抗値を持つ倍率器により、電圧計全体の内部抵抗が高くなり
回路にほとんど影響を与えずに電圧を測定できる。
抵抗の測定
内部に電源（電池）と可変抵抗を内蔵する。
測定対象の抵抗とメーターを直列に接続し、電流を流す。
オームの法則 (R=V/I) により、流れる電流の大きさから抵抗値を読み取る。
抵抗が小さいほど電流が多く流れ、針が大きく振れる。
アナログ式回路計（テスター）の構造
アナログ式回路計（テスター）の取り扱い方
使用レンジと読み取り倍率
読み取り例
回路計の許容差は、測定要素によって最大目盛値に対する百分率で示されている。
したがって、測定目的によって、測定レンジをいかに最大目盛値に近い値に選定して測定するか
（最大目盛値に近くの部分で振れるか）が、誤差を少なくするための測定のポイントになる。
許容差の例
JIS C 1202 A級準拠仕様により引用
絵解き 電気設備の保守と試験「回路計の使い方」より一部引用
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.sanwa-meter.co.jp/japan/pdf/manual/analog_multitester/TA55_JP.pdf
三和電気計測株式会社 TA55 マルチテスタ 取り扱い説明書より引用