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%Z法についての基礎知識まとめ(単位法との関係性)

通常のインピーダンスは「Ω」で表すが、これだと電圧の異なる系統(高圧側と低圧側など)を
またいで計算するときに、変圧比(巻き数比)を使ってインピーダンスを換算する必要があり
計算が複雑になる。

→「定格電圧(基準電圧)に対して、定格電流が流れたときに
  そのインピーダンスで発生する電圧降下が何%になるか
を示したものが%Zとなる。

%Z法と単位法の関係

%Z法の%Zは単位法の[p.u.]値に×100 してパーセントで表した値となる。
=5 [p.u.]をパーセント(%Z法)で表せば、

5 [p.u.]×100 = 500 [%]

0.3 [p.u.]をパーセントで表せば、

0.3 ×[p.u.]× 100 = 30 [%]

となる。

%Z法と単位法は結果的には同じになるが、定義が異なる。
%Z法は実在する基準電圧と基準電流で%Zを定義しているのに対して
単位法は実在するしないは関係なく基準インピーダンスを定義している点が異なる。

%Z法のポイント

%Z法:百分率表示  単位法:小数表示

基準値は自由に決めて問題ない。
※基準値は 1 [p.u.]となる。

抵抗 5Ω を基準値= 1 [p.u.]とした場合

5 [Ω] = 1 [p.u.](基準値)

となる。
この場合、 10[Ω]は

10 [Ω] = 2 [p.u.](基準値 5 [Ω]の2倍)

となる。

%Z法を用いるメリット

[p.u.]値は何倍かを表しているので単位は無次元であり
同じように%Z法も無次元なので
変圧器の一次側と二次側でインピーダンスや電圧、電流を考える際に巻数比を考える必要がなくなる
というメリットが発生する。

変圧器への応用例

オームの法則での計算方法

図:変圧器の等価回路

変圧器は一次側と二次側の巻数比によって電圧を変える機器であり
上図のような場合の巻数比をa とすると、

となる。ここで、変圧器を一次側に換算した等価回路で表した場合
二次側を一次側に換算するには、下記のようになる。

① 二次誘導起電力 E2 を一次誘導起電力 E1 と同じにすることを考える。
E2 に巻数比 a を乗じれば E1 となる (aE2 = E1)

② 変圧器では E1I1 = E2I2 が成り立つ。
式を成立させるために電圧が a 倍になった二次電流 I2 を 1/a倍する (I1 = I2/a)

③ 負荷 ZL は電圧が a倍、電流が 1/a 倍となったので a^2 ZL

よって、上図のように描くことができ
一次側から見た負荷 Z’L は、

となる。
※二次側への換算も可能。

送配電系統で使われている多数の変圧器に上記の計算方法を行うのは非効率なため
「%Z法」を用いる。

基本的に基準値を決めるのは電圧Vと容量Sで
基準値にはそれぞれの定格値が一般に用いられている。

%Z法での計算方法

●変圧器の仕様

これらから一次基準電圧 VB1 = Vn1= 1000 V
基準容量 SB = Sn = 10 000 V・A、二次基準電圧 VB2

とする。
また、容量と電圧・電流の関係から
一次・二次側の基準電流 IB1、IB2 はそれぞれ

となり

となる。電圧と同じように、巻数比aの関係が成り立つ。
電圧と電流がわかったのでオームの法則より
一次・二次側の基準インピーダンス ZB1、 ZB2を求める。

変圧器二次側のインピーダンス ZL[Ω] を変圧器一次側に換算した値をZ1 [Ω]とした場合
変圧器一次側への換算公式より Z1 = a^2 ZLとなり
Z1 のパーユニット値 z1 [p.u.] は

となりVB1 = aVB2 および IB2 = aIB1 の関係を使うと上式は、

となる。
ZL[Ω]を変圧器二次側でみたパーユニット値を
z2, [p.u.] とした場合

となり、z1 = z2になる。
単位法で表せば一次側から見ても二次側から見てもインピーダンスは同じで
巻数比 a^2 を乗じたり除したりしないで済むということ
になる。

参考資料

新電気2023年12月号「特集 初学者向け%Z法 徹底解説」より引用

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