図:普通電力量計、交流単相2線式 100V、30A、50Hz、1000rev/kW・h
電力量計は電気料金の取引にも用いられる計器であることから
性能に関してはJIS規格で厳密に規定されている。
また、電力量計を取引計器として用いる場合は、計量法により検定品または基準適合品でなければならず
普通電力量計(単独計器)の場合、その有効期間は10年となっている。
したがって、電力量計の銘板には日本電気計器検定所の型式承認番号が表示され
外箱と端子には封印装置が設けられている。(上図参照)
記録型計量器の表示例
図:回路方式による電力量計の分類
電力量計は使用する回路方式によって
単相2線式、単相3線式、三相3線式、三相4線式に
定格電流はそれぞれ30 A、120 A、5 A(変成器付計器)に分けられ
精度によって、特別精密(10 000 kW 以上)、精密(500 kW 以上)、普通(500 kW 未満)に分けられる。
図:電力量計の銘板表示
電気工学ではキロワット時の単位記号にkW・hを用いるが
銘板表示にはkWhが用いられている。
また、電力量計は誘導形計器であるが電力量計は見た目に構造が明確なため
動作原理記号の表示はない。
図:単層誘導形電力量計の構造
上図に単相誘導形電力量計の構造を示す。
Pは電圧コイル、Cは電流コイルで、それぞれ成層鉄心F1、F2に巻かれている。
Dはアルミニウム円板で、制動磁石Mの間にはさまれている。
Sは電圧による磁束の位相調整用のコイルで、抵抗rを持っている。
Qは軽負荷補償用の短絡環、Gは計量装置の歯車。
ここで、F1、F2、P、C、S、QはDに駆動トルクを与える作動装置となり
この一組を電力量計の素子となる。
左図:アルミニウム円盤が回転する原理 右図:磁束、電圧、電流の関係
負荷の電圧V(ドットあり)、電流Í、力率100%とすれば、電流コイルCによって電流と同相の電流磁束φcを生じ
電圧コイルPは細い巻線が多く巻かれて自己インダクタンスが大きいため
V(ドットあり)よりも90°位相の遅れた電圧磁束φpを生じる。
したがって、アルミニウム円板Dを貫く磁束は、上左図のように左から右へと移動する。
=移動磁界
Dはアラゴの円板の原理で、移動磁界と同じ方向にトルクTdを生じて回る。
負荷の力率cosΦとして、磁束、電圧、電流の関係をベクトル図で描くと
上右図のようになり
の順に移動磁界を生じることがわかる。
新電気2022年5月号「なるほど納得!第26回電気計器電力量計①」より一部引用
新電気2022年6月号「なるほど納得!第26回電気計器電力量計②」より一部引用
公的機関・検査機関の資料
●日本電気計器検定所(JEMIC)公式サイト
●資源エネルギー庁「スマートメーター制度検討会」資料
規格・法規に関するデータベース
●JISC(日本産業標準調査会)のJIS検索
●e-Gov法令検索(計量法)