単相2線式は、交流の電気を送る配線方式の中でも最もシンプルなもの。
電柱から建物へ、電圧線(通常100V)と中性線(接地線で電位はほぼ0V)の2本の電線で電気を引き込み、100Vの電気を使用する。
単相2線式の仕組み
交流電源から、電圧を持った電線1本と、接地された電線1本の計2本の電線で負荷(電気製品など)に
電気を供給する。
電圧線と中性線の間の電圧差が100Vとなり、この電圧によって負荷に電流が流れる。

単相2線式の主な特徴
- 電圧: 供給できる電圧は100Vのみ。
- 配線: 電線が2本とシンプルで、構造が単純。
- 用途: 照明器具、テレビ、冷蔵庫など、100Vで動作する一般的な家電製品に使用される。
- 供給電力: 単相3線式に比べると、供給できる電力容量が限られる。一般的に、契約容量は30Aまたは40A程度が上限となる
- 200V機器の利用不可: 200Vを必要とするエアコン、IHクッキングヒーター、一部の洗濯乾燥機には使用できない。
- 電線質量: 同じ電力を送る場合、単相3線式に比べて必要な電線の質量が多くなる。
- 電圧降下・電力損失: 単相3線式に比べて、送電ロス(電圧降下や電力損失)が大きくなる傾向がある。
単相2線式のメリット・デメリット
単相2線式のメリット
- 配線がシンプル: 構造が簡単なため、導入コストが比較的低く抑えられる。
- 小規模な電力需要に適している: 照明など、消費電力の少ない用途には対応可能。
単相2線式のデメリット
- 100Vしか使用できない: 200Vの電気機器が使用できない。
- 供給できる電力容量が限られる: 消費電力の大きな家電製品を複数同時使用すると、ブレーカーが落ちやすくなる。
- 将来的な電力需要の増加に対応しにくい: 近年、家庭での電力消費量が増加しているため、単相2線式では容量が不足する場合があります。
単相3線式との違い
現在では、多くの家庭で単相3線式という配線方式が採用されている。
単相3線式は、3本の電線(電圧線2本と中性線1本)を引き込むことで、
100Vの電気機器に加えて、2本の電圧線間を利用して200Vの電気機器も使用できる
単相3線式と2線式の見分け方
分電盤のメインブレーカーに接続されている電線の色で、ある程度判断できます。黒と白の2色だけであれば、単相2線式である可能性が高い。
単相3線式の場合は、黒、白、赤の3色の電線が接続されていることが多い。
あわせて読みたい


単相3線式とは(用語説明)
交流の電気を送る配線方式の一つで、3本の電線を使って100Vと200Vの2種類の電圧を取り出すことができるのが最大の特徴「単3(たんさん)」と略されることもある。 現在…
コメント