小規模発電設備についての基礎知識まとめ

小規模発電設備についての概略

電気事業法において、「一般用電気工作物」に分類される小型の発電設備のことを指す。

通常、ビルや工場などの大きな設備は「自家用電気工作物(事業用)」として厳しい保安規制を受けるが
一定の低出力かつ安全性の高い以下の設備については
一般家庭と同じ「一般用電気工作物」として扱われ保安規制が簡略化される。

各設備の定義と出力条件

6つの設備は、それぞれ以下の出力未満(および特定条件)の場合に「小規模発電設備」に該当する。

発電設備の種類小規模発電設備の条件(出力等)補足・特徴
太陽電池発電設備50 kW 未満一般住宅の屋根や、低圧連系の野立て太陽光などに多い規模。
風力発電設備20 kW 未満小型風力発電などが該当する。
水力発電設備20 kW 未満以下の条件をすべて満たすもの:
・使用流量 1 m^3/s 未満
・特定の施設内(土地改良法、水道法、下水道法、工業用水道事業法)に設置されるもの
火力発電設備
(内燃力を原動力とする)
10 kW 未満一般的な店舗や小規模ビルなどの非常用ディーゼル発電機、ガスエンジン発電機などが該当する。
燃料電池発電設備10 kW 未満家庭用燃料電池(エネファームなど)がこれに該当する。
スターリングエンジン10 kW 未満外燃機関の一種で、小型の熱電併給(コージェネ)システムなどが該当する。

これらの発電設備を同じ構内に複数設置する場合
それぞれの出力の合計が 50 kW 未満(かつ各設備の個別の制限を超えない)でなければ
一般用電気工作物(小規模発電設備)とは認められず、自家用扱いになるため注意が必要。

「法改正(2023年4月施行)」の注意点

左図:小規模発電設備 右図:一般用電気工作物に含まれる小規模発電設備

以前は上記すべての設備が「一般用電気工作物」として一括りにされてたが
2023年(令和5年)4月1日の電気事業法改正により、保安のルールが大きく変化した。

新たに「小規模事業用電気工作物」という区分が新設され
小規模発電設備の一部がここに組み込まれた。

  • 太陽光発電(10 kW 以上 50 kW 未満)
  • 風力発電(20 kW 未満)

これらは、出力としては「小規模発電設備」の枠内だが
現在は「小規模事業用電気工作物」という扱いになり、以下の義務が追加されている。

  1. 基礎情報の届出(設置時の設備情報の登録)
  2. 技術基準適合維持義務(法令に適合した状態を保つこと)
  3. 使用前自己確認の実施と報告
    (※太陽光については、10kW以上50kW未満の新規設置や一定の変更工事の際
    使用前に自主検査を行って国に報告する義務がある)

なお、10 kW 未満の住宅用太陽光発電や、火力・燃料電池などで事業性がないもの(純粋な一般用)については
これまで通り「一般用電気工作物」として扱われ、上記の届出等は原則不要となる。

保安・工事における特徴

小規模発電設備(一般用電気工作物)に該当する場合、以下のようなルールが適用されます。

  • 電気主任技術者の選任が不要
    自家用電気工作物のように、電気主任技術者を選任したり
    外部の保安法人に保安管理業務を委託する法的義務はない。
  • 点検義務の主体
    原則として、その地域を管轄する登録調査機関(関西電気保安協会など)が
    4年に1回以上の定期調査(安全点検)を行う仕組みになっている。
  • 電気工事の資格
    設置や配線の工事を行うには、第二種電気工事士以上の資格が必要。

参考資料

https://www.safety-kanto.meti.go.jp/electric/e_seminar2025.html
経済産業省関東東北産業保安監督部 令和7年度電気主任技術者セミナー実施概要 より引用

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