接地抵抗低減材(せっちていこうていげんざい)は、電気設備の接地抵抗値を下げるために使用される材料。
接地抵抗を低減させることで、電気機器の安全性を高め、雷害対策や電磁ノイズ対策にも有効となる。
接地抵抗低減材の原理
- 電気伝導性の向上: 導電性の高い材料を使用することで
接地極と土壌間の電気的な接続を改善し、電流が流れやすくする。 - 接地面積の拡大: 粉末状やシート状の低減材が接地極の周囲に広がることで
実質的な接地面積を増やし、土壌との接触抵抗を減らす。 - 土壌の改質: 一部の低減材は、土壌中の水分を保持したり、イオン濃度を高めたりする効果があり
土壌自体の電気抵抗率を低下させる。 - 接触抵抗の低減: 接地極と土壌の間に介在することで、両者の密着性を高め、接触抵抗を減らす。
接地抵抗低減材の用途
- 電力設備: 変電所、送電鉄塔、配電柱などの接地
- 建築設備: ビル、工場、病院などの電気設備の接地、雷保護設備の接地
- 情報通信設備: 通信基地局、放送アンテナ、コンピュータシステムの接地
- 鉄道設備: 信号設備、変電設備の接地
- 再生可能エネルギー設備: 太陽光発電所、風力発電所の接地
- その他: 医療機器、計測機器などの接地
選定のポイント
- 土壌の抵抗率: 設置場所の土壌の抵抗率によって、最適な低減材や工法が異なる。
- 必要な接地抵抗値: 設備の種別や関連法規によって、求められる接地抵抗値が異なる。
- 設置スペース: 接地棒の増設や接地網の敷設に必要なスペースを考慮する。
- コスト: 材料費や施工費を比較検討する。
- 環境への影響: 土壌改質材の種類によっては、環境に影響を与える可能性があるため、注意が必要。
- 耐久性・長期安定性: 長期間にわたって安定した接地抵抗を維持できる材料を選定する。
- 施工性: 現場の状況に適した施工が容易な材料を選定する。