特定卸供給事業者(アグリゲーター)についての備忘録

特定卸供給事業者(アグリゲーター)は、ヴァーチャルパワープラント(VPP)の中核を担う事業者のこと。
個人や企業が保有する小規模なエネルギー設備(分散型エネルギーリソース)を束ね
あたかも一つの大きな発電所のように統合的に制御することで、電力需給の調整や電力市場での取引を行う。

アグリゲーターの役割と仕組み

アグリゲーターの主な役割は
力の需要と供給のバランスを保つこととなる。

  • 分散型エネルギーリソース(DER)の統合
    家庭や企業の太陽光発電蓄電池、EV、空調設備などをIoT技術でネットワーク化し、一元的に管理する。
  • 需給バランスの調整(デマンドレスポンス: DR)
    電力会社や送配電事業者からの要請に応じて、需要家の電力使用量を制御する。
    1. 下げDR
      電力が不足しそうな場合、需要家に対して節電を要請したり
      蓄電池から放電させたりすること
      で、電力需要を抑制する。
    2. 上げDR
      太陽光発電などで電力が余剰になった場合、蓄電池への充電を促したり
      電力消費を増やしたりすること
      で、余剰電力を有効活用する。
  1. 電力市場での取引
    DRによって生み出された電力(節電された電力は「ネガワット」と呼ばれる)を
    需要家の代わりに卸電力市場で取引する。
    これにより、収益の一部を需要家に還元する。

アグリゲーターの分類

アグリゲーターは、その役割に応じて大きく2種類に分けられる。

  • リソースアグリゲーター
    需要家と直接契約を結び、個々の設備(リソース)の管理・制御を担う事業者
  • アグリゲーションコーディネーター
    複数のリソースアグリゲーターを束ね、一般送配電事業者や小売電気事業者などと直接
    電力取引を行う事業者。

両者が連携することで、VPPは効率的かつ安定的に機能する。

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