インバータは、直流 (DC) 電力を交流 (AC) 電力に変換する電気機器のこと。
この変換によって、モーターの回転速度やポンプの流量などを自由に制御が可能となる。
インバータについての概略
インバータの基本的な仕組みは、半導体スイッチ(IGBTやMOSFETなど)を高速にオン/オフすることで
直流電圧をパルス状に切り刻み、これをPWM (Pulse Width Modulation)制御によって交流の波形を作り出すこと。
- 整流部: 外部から入ってきた交流電力をダイオードなどで直流に変換する。
- 平滑部: 整流された脈流をコンデンサで滑らかな直流にする。
- インバータ部: 平滑された直流電力を、スイッチング素子を使って所望の周波数と電圧の交流電力に変換する。
インバータの詳細な仕組み
下記図のようにインバータ装置は前段部と後段部に分かれており
交流から直流に変換する前段部の「コンバータ回路」と
直流から交流に変換する後段部の「インバータ回路」によって構成されている。
広い意味でのインバータ装置とは
コンバータ回路とインバータ回路がセットで使われて「交流→交流」への変換になるのに対し
個別のインバータは回路や機能を示しているので、「直流→交流」の変換になる。
このように、とらえ方により「インバータ」の意味が異なってくる。
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- エアコンや冷蔵庫
コンプレッサーの回転数を細かく制御し
無駄な電力消費を抑える。
- 鉄道
電車のモーターを制御し
滑らかな加減速や省エネルギー運転を実現する。
- 産業用モーター
工場のポンプやファンなどのモーター速度を制御し
効率的な運転を可能にする。
- 太陽光発電
太陽光パネルで発電された直流電力を
家庭や電力系統で使用できる交流電力に変換する。
- UPS (無停電電源装置)
停電時にバッテリーの直流電力を交流に変換し
コンピュータなどの機器に電力を供給する。
インバータのメリットとデメリット
メリット
- 省エネルギー
必要な分だけモーターなどを動かすことで、無駄な電力消費を抑えられる。
- 高精度な制御
速度やトルクなどを細かく制御できるため
機器の性能を最大限に引き出せる。
- 機器の長寿命化
始動時の突入電流を抑えることで
モーターなどの機器への負荷を減らし、寿命を延ばせる。
- 騒音・振動の低減
スムーズな起動・停止により
騒音や振動を抑えられる。
デメリット
- 高調波の発生
スイッチング制御により
電源系統に高調波ノイズを発生させることがある。
- 高価
複雑な制御回路や部品が必要なため
他の制御方法に比べて初期コストが高くなることがある。
- ノイズ
高速なスイッチングにより、電磁ノイズを発生させることがある。
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