相間短絡とは、主に三相交流回路において本来絶縁されているべき
異なる相(R相、S相、T相など)の電線同士が電気的に接続されるべきでない箇所で接触し、電流が流れてしまう
現象のこと。
一般的に「ショート」とも呼ばれる短絡事故の一種。
短絡が発生すると、電気は負荷(電化製品など)を経由せず
抵抗値が非常に低い短絡箇所を通って流れるため、以下の現象が起こる。
大電流(短絡電流)の発生
オームの法則(I = V / R)に基づき、抵抗Rが非常に小さくなるため
定格をはるかに超える数千Aから数万Aもの大電流が瞬間的に流れる。
発熱・アーク放電
●大電流により、接触点では大きなジュール熱(P = I2R)が発生し
電線の溶断や絶縁被覆の燃焼を引き起こす。
●接触が不完全な場合や、高電圧下では、激しいアーク放電(火花)が発生し
火災や機器の損傷、作業者の火傷の原因となる。
電圧の低下と波及事故
短絡が発生した地点より電源側では電圧が急激に低下し、系統全体に影響を及ぼす。
これが他の健全な需要家の停電を引き起こす波及事故の原因となる。
保護装置の動作
大電流を検知し、回路を遮断(トリップ)するために
変電所や受電設備(キュービクル)の遮断器や保護リレーが動作する。
相間短絡事故を未然に防ぎ、被害を最小限に抑えるためには
以下の対策が重要となる。