試験用端子(CTT・VTT)についての基礎知識まとめ

高圧受電設備の保守点検や試験において
試験用端子(TT:Test Terminal)は重要な役割を果たす。
試験用端子があることで、回路を停電させたり配線を外したりすることなく
安全かつ効率的に計測器や継電器試験を行うことが可能となる。

試験用端子には主に
電流試験用(CTT)と電圧試験用(VTT)の2種類がある。

電流試験用端子(CTT:Current Test Terminal)

変流器(CT)の二次側回路に設置される。
過電流継電器(OCR)などの動作試験を行う際に、試験装置を接続するために使用する。

役割

CT回路に試験電流を注入したり、電流計を接続したりする。

構造的特徴

専用のテストプラグを差し込むと
内部回路が「瞬時短絡・切り離し」される仕組みになっている。

取扱上の注意

変流器一次側に電流が流れている状態で二次側(=CTTのCT側のこと)を解放すると
二次巻線の打ち消し磁束がなくなり、鉄心が過励磁状態になり異常電圧が発生する。
このため、試験などで接続バーを外す場合はCT回路が停電状態で
先に変流器側を上図のように短絡する必要がある。

電圧試験用端子(VTT:Voltage Test Terminal)

計器用変圧器(VTまたはEVT)の二次側回路に設置される。

役割

電圧計の校正や、不足電圧継電器(UVR)地絡過電圧継電器(OVGR)などの
動作試験に電圧を印加するために使用する。

構造的特徴

CTTとは異なり、プラグを差し込むと回路が「切り離し」される。

取扱上の注意

電圧試験用端子の多くは締付形だが、他にプラグ形もある。
一次側と二次側を接続している接続バーを外すと、計器用変圧器は切り離されるが
誤って相間を接続すると短絡となり、二次側保護ヒューズが溶断するので、注意が必要となる。

試験用端子の外観と配置

受電盤(キュービクル)の正面パネルや内部の点検スペースに配置されている。

形状

円筒形のプラグ受けが並んでおり、誤挿入を防ぐために「電流用は黒、電圧用は赤」のように色分けされていたり
形状が微妙に変えられていたりすることが一般的。

銘板

各端子には「R・S・T」などの相表示や
「CTT」「VTT」といった名称が明確に記載されている。

使用時の主なメリット

試験用端子が施設されていることで、以下のような運用が可能になる。

誤結線の防止

既設の配線を外す必要がないため
復旧時の結線ミスによる事故リスクを大幅に低減できる。

作業時間の短縮

テストプラグをワンタッチで抜き差しするだけで
試験状態に切り替えられるため、定期点検の効率が向上する。

    保守上のポイント

    • 接触不良の確認
      長期間使用していると、内部のバネのへたりや酸化により接触不良を起こすことがある。
      年次点検時には変色や過熱の跡がないかを確認する。
    • キャップの保持
      塵埃の侵入を防ぐため、未使用時は必ず専用のキャップを取り付けておく必要がある。
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