漏電遮断器(ろうでんしゃだんき)は、電気回路に漏電が発生した際に
感電事故や火災を防ぐために自動的に電気を遮断する安全装置のこと。
ELCB(Earth Leakage Circuit Breaker)とも呼ばれる。
漏電遮断器の役割
●感電防止
漏電が発生すると、電気機器の外箱やコンセントなどに触れると感電する危険がある。
漏電遮断器は、微小な漏電電流を検知して瞬時に電気を遮断し、感電事故を未然に防ぐ。
●火災防止
漏電電流が流れ続けると、電線の被覆が劣化したり、発熱したりして火災の原因となることがある。
漏電遮断器は、このような漏電による火災の発生を防ぐ。
漏電遮断器の仕組み(動作原理)
※一般的に、数mA(ミリアンペア)から数十mAの漏れ電流を0.1秒以内という高速で検知し、遮断する。
単相3線式は、住宅で一般的に使われている配線方式で
100Vと200Vの両方の電圧を同時に使用できるという利点がある。
しかし、この方式には、中性線が断線したり接続不良になったりする「中性線欠相」という事故が
発生するリスクがある。
中性線欠相時の主な事故内容
単3中性線欠相保護機能付き漏電遮断器の動作原理
単3中性線欠相保護機能付き漏電遮断器は、単相3線式回路の中性線の電圧バランスを常に監視している。
中性線が欠相すると、回路内の電圧バランスが崩れ、特定の100V回路に異常な高電圧が発生する。
単相3線式配線では、中性線が断線すると100(V)回路の負荷機器に異常電圧がかり
小さい負荷機器では絶縁破壊が生じ、焼損に至る場合がある。
通常、異常電圧が125(V)以上〜135(V)以下で動作電圧が設定されており
135(V)以上になると1秒以内で遮断する。
単3回路の中性線が何らかの原因で断線すると、
下図のように負荷電力の小さい負荷機器のほうに本来100(V)で使用している電圧より
過大な電圧がかかって負荷機器の絶縁破壊、焼損に繋がり、火災を引き起こす場合もある。
(計算例)
テレビのインピーダンス
Z1=100(V)×100(V)/100(W)=100(Ω)
電子レンジのインピーダンス
Z2=100(V)×100(V)/1000(W)=10(Ω)
断線時のテレビの両端電圧
V1=100(Ω)/(100(Ω)+10(Ω))×200(V)=181.8(V)
断線時の電子レンジの両端電圧
V2=10(Ω)/(100(Ω)+10(Ω))×200(V)=18.2(V)
以上の計算のようにテレビには181.8(V)がかかる。
関西電気保安協会
保安規定第10条電気保安教育資料より画像引用
メリット
デメリット
過電圧検出リード線取り付け時の注意事項
単3中性線欠相保護付ノーヒューズ遮断器・漏電遮断器・漏電アラーム遮断器において
過電圧検出リード線は,盤内の負荷側末端の中性極導体か過電圧検出分岐ユニット(NBU)の
NC端子のどちらかに確実に締付けること。
(接続相より電源側の中性極欠相による過電圧を検出して動作するため。)
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三菱ノーヒューズ遮断器・漏電遮断器漏電アラーム遮断器単3中性線欠相保護付ノーヒューズ遮断器単3中性線欠相保護付漏電遮断器漏電リレー・リモコン機器・サーキットプロテクタ
より画像引用