無効電力(むこうでんりょく)とは、交流回路において、エネルギーとして消費されず、電源と負荷の間を行ったり来たりする電力のこと。
直接的な仕事(光を照らす、物を温める、モーターを回すなど)には使われないが
交流回路、特にコイル(インダクタンス成分)やコンデンサ(キャパシタンス成分)を含む回路が
動作するために必要な電力。
単位は バール(var)
無効電力は直接的な仕事はしないが、交流回路が正常に動作するために非常に重要な役割を果たしている。
力率 は、有効電力 (P) と皮相電力 (S) の比で表される、無効電力 (Q) とも密接な関係がある。
S=P2+Q2
力率が低い(0に近い)場合、皮相電力に対する有効電力の割合が小さく、無効電力の割合が大きいことを意味する。力率が低いと、同じ有効電力を得るために大きな電流が必要となり、電力損失の増加や電圧降下の増大などの問題を引き起こす。
電力系統や大規模な工場などでは、力率を改善するために無効電力の制御が行われる。
主な対策としては、以下のようなものがある。
コンデンサを接続して力率を改善する場合に
コンデンサを機器(無効電力消費機器と見なせば)と見なせば「機器が進み無効電力を消費する」といえるが
逆にコンデンサを発生源と見なせば「発生源が遅れ無効電力を供給する」ともいえて、両者は同じ意味を持つ。
上図は、ある遅れ負荷電力を抵抗分とリアクトル分に並列に分割して
さらに力率を改善するために並列にコンデンサを接続した図となる。
それぞれに受電端電圧 Erを基準にして電流の方向と位相関係を記している。
※ドット(・略)
抵抗に流れる電流は Ir で Er と同相であり
リアクトルに流れる電流は -jIL で位相は Er より 90°だけ遅れる。
次に、コンデンサに流れる電流は +jIC で位相は Erより 90°だけ進む。
コンデンサを機器と見なせば上図 Aのように +(+jIC )となり、矢印の方向に
進み電流(+jIC )が電力系統から機器(コンデンサ)へ流れ込むので
「機器が進み無効電力を消費する」といえる(コンデンサを無効電力消費機器と考える)。
今度は逆にコンデンサを発生源と見なせば上図 Bのようにプラスマイナスを入れ替えると
-(-j IC) となり、矢印に対してマイナス方向(反対方向)に遅れ電流(-j IC)が流れることになる。
電流が反対方向に流れるので上図Cのように矢印を反対方向に書き換えてプラスマイナスを入れ替えると
+(-j IC) となり、遅れ電流(-j IC)が発生源(コンデンサ)から電力系統へ流れ出るので
「発生源が遅れ無効電力を供給する」といえる(コンデンサを無効電力供給源と考える)。
新電気2020年 5月号「
電気のクエスチョン?? (102)無効電力の「遅れ・進み」と「消費・供給」より一部引用