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無効電力についての基礎知識まとめ(用語説明)

無効電力(むこうでんりょく)とは、交流回路において、エネルギーとして消費されず、電源と負荷の間を行ったり来たりする電力のこと。
直接的な仕事(光を照らす、物を温める、モーターを回すなど)には使われないが
交流回路、特にコイル(インダクタンス成分)やコンデンサ(キャパシタンス成分)を含む回路が
動作するために必要な電力。
単位は バール(var)

目次

無効電力の役割

無効電力は直接的な仕事はしないが、交流回路が正常に動作するために非常に重要な役割を果たしている。

  • 磁場の形成: モーターや変圧器などのコイルを含む機器は、磁場を利用して動作する。
          この磁場を維持するためには無効電力が必要。
  • 電圧の安定化: 電力系統全体において、無効電力は電圧を安定させる役割を担っている。
           無効電力が不足すると電圧が低下し、電力の安定供給に支障をきたす可能性がある。
  • 電力伝送の効率化: 適切な量の無効電力を制御することで、電力系統全体の効率を高めることができる。

無効電力が発生する主な要素

  • 誘導性負荷(コイル成分): モーター、変圧器、蛍光灯の安定器など、コイルを含む機器は
                 無効電力を消費(遅れ無効電力)する。電流が電圧よりも位相が遅れるのが特徴。
  • 容量性負荷(コンデンサ成分): コンデンサ、一部の電子機器など、コンデンサを含む機器は無効電力を
                   供給(進み無効電力)する。電流が電圧よりも位相が進むのが特徴。

無効電力と力率の関係

力率 は、有効電力 (P) と皮相電力 (S) の比で表される、無効電力 (Q) とも密接な関係がある。

S=P2+Q2

力率が低い(0に近い)場合、皮相電力に対する有効電力の割合が小さく、無効電力の割合が大きいことを意味する。力率が低いと、同じ有効電力を得るために大きな電流が必要となり、電力損失の増加や電圧降下の増大などの問題を引き起こす。

無効電力対策

電力系統や大規模な工場などでは、力率を改善するために無効電力の制御が行われる。
主な対策としては、以下のようなものがある。

  • 進相コンデンサの設置: 遅れ無効電力を補償するために、コンデンサを設置して進み無効電力を供給する。
  • 同期調相機の利用: 電圧調整と無効電力の制御を行う専用の回転機。
  • 電力用半導体デバイスの活用: 高度な無効電力制御システムが実現されている。
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