高圧進相コンデンサについての概略

高圧受電の需要家では、電動機類を使用する設備が多くある。
例)エレベータ、空調機、給排水ポンプ
これらの設備の電動機の内部には誘導性のコイルがあり
遅れ無効電力を消費するので、遅れ力率(電圧に対して電流の位相が遅れる)になる。
この場合、同じ電力を使用する場合でも電流が増大し、電力損失の増加、電圧降下の増大
設備利用率の低下などいろいろの弊害が生じる。
進相コンデンサは、この遅れの無効電力を
打ち消して力率を改善(力率をできるだけ1に近づける)するために設置される。
進相コンデンサはコンデンサ本体を金属ケースに入れて絶縁油で充填した油入式が一般的。
また、コンデンサ素子は、誘電体フィルムをアルミ箔あるいは蒸着金属の電極で挟んだ構造となっている。
電荷を蓄える性質を持ち、電源から切り離しても、残留電荷により電圧が発生する。
そのため残留電荷を5分以内に50V以下にするような放電抵抗が内蔵されている。


コンデンサによる無効電力の補償
無効電力は電力損失や電圧降下の増加、伝送容量の低減の原因となる。
→コンデンサはこれらの遅れ無効電力を進み無効電力によって補償している。

下図のようにコンデンサがない場合、電源から負荷に有効電力が供給されているともに
電源と負荷の間を無効電力が往復している。
このとき、負荷の近くにコンデンサを設置していると、下図のように電源からの有効電力は変化せず、無効電力がコンデンサと負荷の間で往復するので電源と負荷の間には流れない

新電気2024年6月号 p49 無効電力より画像引用
点検方法と確認ポイント
・外箱の膨らみを確認する
ふくらみの目安
| コンデンサ容量(kVA) | ふくらみ(mm) |
|---|---|
| 10~30 50 75~100 150 | 15 20 25 30 |
目安をオーバーしている場合は、更新を提案する。
ふくらみは電気設備の稼働停止後に、再確認する。
・PCB入りの機器は、監督庁への届け出完了の有無を確認する。

参考資料
新電気2023年10月号 「現場の疑問解決塾 第39回キュービクル(2)」より一部引用

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