過電流継電器 (OCR) が遮断器 (CB) に開放動作をさせることを
「引外し」という。
また、引外しに必要なコイルを「引外しコイル」という。
「引外し」には下記の方式があり
設備によって使い分けられている。
CT(変流器)によって検出された電路の過電流が
過電流継電器に内蔵されたトリップコイルに直接流れる。
過電流の大きさが設定値を超えるとトリップコイルが発生する
磁力によって可動鉄片が吸引され、継電器の接点が動作する。
この接点の動作により、遮断器のトリップ回路が励磁され
遮断器が電路を遮断する。
左図:平常時のCT2次電流 右図:事故時のCT2次電流
電流引きはずし方式の動作原理
事故時に計器用変流器の二次電流で引外しコイルを励磁してCBを動作させる方式。
一般的にはCTトリップといわれ、小容量の受電設備に広く使用されている。
上左図に示すように、平常時はOCRのb接点は閉じてCBの引外しコイルにはCT二次電流は流れないが
事故時には上右図に示すようにRyが動作してb接点が開放し
引外しコイルにCT二次電流を流してコイルを励磁し、CBを開放させる。
短絡電流など過大な事故電流が流れた場合は、限時要素よりも早く動作する瞬時要素が内蔵されている。
変流器二次電流引外し方式は短絡電流などの瞬時要素で動作した場合
継電器のb接点で事故電流のCT二次側電流を開放し、トリップ回路に大電流を流すことになるので
b接点に損傷を受けることがある。
●シンプルな構成: 外部電源を必要とせず、CTと継電器のみで構成できるため、構造が簡単で配線も容易。
●低コスト: 電圧引き外し方式に必要な外部電源装置などが不要なため、一般的に設備コストを抑えられる。
●CT二次回路への依存: 引き外しに必要なエネルギーはCT二次電流に依存する。
メリット
デメリット
新電気2019年11月号 「特集保護継電器Q&A」より引用
新電気2020年 4月号「特集 保護継電器のリレー試験の基礎知識」より一部引用