低圧コンデンサ(LCユニット内蔵型)は、主に工場やビルなどの低圧受電設備において
力率改善と高調波対策を同時に行うことを目的とした機器。
「LCユニット」とは、L(コイル、リアクトル) と C(コンデンサ) を組み合わせた回路のことを指す。
通常の進相コンデンサは、交流回路の力率を改善するために使用されるが
近年、インバータなどの電子機器の普及により、電力系統に高調波電流が発生し
さまざまな悪影響を及ぼすようになった。
一言説明
LCユニット内蔵型コンデンサは、この高調波対策として
進相コンデンサに直列リアクトルを組み込んだ製品。
内部設備役割
LCユニット内蔵型コンデンサの主要な役割は以下の通り。
力率改善
誘導性負荷(モーターなど)が原因で遅れている電流の位相を進ませ
電圧との位相差を小さくすることで力率を改善する。
これにより、以下の効果が得られる。
高調波対策
インバータやLED照明、UPS(無停電電源装置)などの電子機器は、非線形負荷と呼ばれ
高調波電流を発生させる。この高調波は、以下のような問題を引き起こす可能性がある。
コンデンサの過負荷・焼損
コンデンサは高周波になるほどインピーダンスが低くなる。
そのため、高調波電流が流れると過大な電流が流れ、コンデンサが過熱・焼損するリスクが高まる。
変圧器の過熱・焼損
高調波電流は、変圧器の鉄心や巻線で損失を増加させ、過熱を引き起こす。
ケーブルの過熱
高調波電流は、ケーブルの表皮効果により実効抵抗を増加させ、過熱を招く。
保護継電器の誤動作
高調波成分が原因で、過電流継電器などが誤動作することがある。
機器の誤動作・故障
精密機器や制御機器が誤動作したり、寿命が短くなったりすることがある。
電力会社の設備への影響
上流の電力系統にも影響を与え、電力品質を低下させる。
まとめ
LCユニット内蔵型コンデンサは、この高調波電流を吸収・抑制することで、これらの問題を未然に防ぐ。
特に、高圧側にコンデンサを設置するよりも、負荷に近い低圧側に設置することで
構内で発生する高調波を効率的に吸収できる利点がある。
安全性
多くの場合、コンデンサ内部に自己遮断機構や温度センサーなどが内蔵されており
異常時には回路を自動的に開放するなど、高い安全性が確保されている。
高効率・低損失
力率改善効果は、進相コンデンサの設置位置よりも上位(電源側)の部分にあたるため
低圧側に設置することで力率改善される範囲が長くなり、変圧器や低圧側配電線路の損失低減効果がある。
LCユニット内蔵型コンデンサを設置する際には、いくつかの注意点があります。
低圧コンデンサ(LCユニット内蔵型)は、以下のような場所で導入されている。
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.shizuki.co.jp/common/pdf/suggestion/LJ346.pdf
指月 コンデンサ低圧設置のメリットコンデンサ低圧設置のメリット より画像引用