主に太陽光発電システムやコジェネレーションシステム
従来の高圧発電機などに設置されている電圧・周波数保護継電器の試験に
特化した高性能なリレーテスター(試験器)
新エネルギー発電の保護リレーに対応しており
試験業務の効率化に貢献するように設計されている。
単相 AC100V 電源による動作
単相AC100V 電源から三相電源を出力できる。
継電器の接点動作を自動判別
内蔵のマイクロコンピュータが接点を自動判別する。
多用途な電圧出力
周波数可変機能
出力電圧の周波数の自在可変が可能
(通常範囲は40.00Hz〜70.00Hz)
無歪波形出力
発電機の電源波形や周波数の影響を受けない無歪み波形を出力するため
正確な継電器の特性管理値測定が可能。
簡単操作
三相一括、各相電圧の出力調整、反相、欠相、周波数切替がワンタッチ操作で可能。
軽量化
屋外など離れた場所での試験を考慮し、約$15kg以下と軽量化が図られている。
対応継電器
以下の6種類の継電器試験に対応している。
電源入力部
① 電源スイッチ
本器の電源を ON/OFF するスイッチ。
② 電源入力コネクタ
電源コードを接続し、AC100V 電源を入力する。
AC100±10V, 50/60Hz
③ 電源ヒューズ
(F3,10A) 電源入力アース側の保護用ヒューズ。
極性確認ランプ
④ 接地端子
アースコードを接続し、本器を接地する接地端子。
⑤ 極性確認ランプ
●接地端子
アースコードにより接地回路へ接続する
●電源極性が正しくとれたことを示すランプ(検電器)
●電源極性を確認せず、補助電源出力 P1、P2 の極性が逆の状態だと
継電器へ電源を供給したとき、P2 側が接地されていると電源が短絡する。
補助電源出力部
⑥ 補助電源出力切換スイッチ
補助電源の出力電圧を切り替える。
⑦ 補助電源出力コネクタ
補助電源コードを接続し、継電器に電源を供給する。
補助電源出力のP1、P2より試験器電源を
取り込むことは非常に危険なため、絶対に行わないこと。
⑧ 補助電源スイッチ
補助電源出力を ON/OFF するスイッチ。(5A ブレーカー)
トリップ入力部
⑨トリップ/接点確認切換スイッチ
動作時間計測(トリップ)または、接点動作確認(接点確認)を選択する。
⑩トリップ入力コネクタ
トリップコードを接続し、継電器の動作を検出する。
⑪電圧/電圧切換スイッチ
継電器の動作出力に合わせ、無電圧接点の時は接点側、電圧出力の時は電圧側にする。
電圧出力部
⑫OUTPUT(電圧出力)スイッチ
電圧出力を ON/OFF するスイッチ。
電圧出力中はスイッチが点灯する。
※電圧出力ON中に
試験切換スイッチ、結線切換スイッチ、試験相切換スイッチ、電圧レンジ切換スイッチを操作すると
安全のため電圧出力を自動的にOFFにする。
⑬電圧出力ヒューズ
(F2,1A)V-W 相間の電圧出力保護用ヒューズ。
⑭電圧出力コネクタ
電圧コードを接続する。
⑮電圧出力ヒューズ
(F1,1A)U-V 相間の電圧出力保護用ヒューズ。
⑯U-V 電圧計
U-V 相間の電圧値を指示する指示計器。
⑰V-W 電圧計
V-W 相間の電圧値を指示する指示計器。
⑱W-U 電圧計
W-U 相間の電圧値を指示する指示計器。
⑲試験切換スイッチ
試験を行う継電器に合わせて切り換える。
電圧出力中に切り換えると電圧出力を OFF する。
試験をする継電器に合わせて、周波数、電圧、反相、欠相から選択し切り換える。
電圧出力中に切り換えると、安全のため電圧出力をOFFになる。
電圧の設定中に切り換えると、瞬間的に電圧計が「0」に戻る。
●周波数
周波数継電器の試験を行う。
START/STOPスイッチをON(点灯)すると
基準周波数から試験周波数に切り替わる。
●電 圧
電圧継電器の試験を行う。
START/STOPスイッチをON(点灯)すると
基準電圧から試験電圧に切り替わる。
●反 相
反相継電器の試験を行う。
START/STOPスイッチをON(点灯)すると
試験相切換スイッチで選択された相が反転する。
(例)W-U → U-W に反転
●欠 相
欠相継電器の試験を行う。
START/STOPスイッチをON(点灯)すると
試験相切換スイッチで選択された相間の出力電圧が「0」になる。
⑳結線切換スイッチ
結線切換スイッチ
電圧出力の結線を
1φ2W,1φ3W,3φ3Wから選択し切り換える。
※全ての試験で機能する。
電圧出力中に切り換えると、安全のため電圧出力をOFFにする。
電圧の設定中に切り換えると、瞬間的に電圧計が「0」に戻る。
㉑試験相切換スイッチ
試験相切換スイッチ
電圧出力の相順をU-V、V-W、W-Uから選択し、切り換える。
(相順をローテーションする。)
スイッチ位置:電圧出力コードの相→実際の出力相
U-V:U→U,V→V,W→W
V-W:U→W、V→U,W→V
W-U:U→V,V→W,W→U
電圧出力中に切り換えると、安全のため電圧出力をOFFにする。
電圧の設定中に切り換えると、瞬間的に電圧計が「0」に戻る。
㉒電圧レンジ切換スイッチ
電圧レンジ切換スイッチ
出力電圧及び電圧計のレンジを
30V,75V,150V,300V
から選択し切り換える。
電圧出力中に切り換えると、安全のため電圧出力をOFFにする。
電圧の設定中に切り換えると、瞬間的に電圧計が「0」に戻る。
㉓試験電圧三相一括調整ツマミ
試験電圧の各線間電圧を一括で調整できる。
試験切換スイッチが電圧の時、START/STOPスイッチがON(点灯)の時に機能する。
OUTPUT(電圧出力)スイッチがOFFの時は、外部へ電圧が出力されない。
試験切換スイッチが電圧以外の時は、機能しない。
㉔基準電圧三相一括調整ツマミ
基準電圧の各線間電圧を一括で調整できる。
試験切換スイッチが電圧の時は、START/STOPスイッチがOFF(消灯)の時に機能する。
試験切換スイッチが電圧以外の時は、常時機能する。
OUTPUT(電圧出力)スイッチがOFFの時は、外部へ電圧が出力されない。
U-V相間電圧調整器
㉕試験電圧 U-V 調整ツマミ
試験時のU-V相間出力電圧を調整する。
試験切換スイッチが電圧、START/STOPスイッチがON(点灯)
の時に機能する。
OUTPUT(電圧出力)スイッチがOFFの時は、外部へ電圧が出力されない。
試験切換スイッチが電圧以外の時は、機能しない。
㉖基準電圧 U-V 調整ツマミ
試験前のU-V相間基準出力電圧を調整する。
試験切換スイッチが電圧の時は
START/STOPスイッチがOFF(消灯)の時に機能する。
試験切換スイッチが電圧以外の時は
常時機能する。
OUTPUT(電圧出力)スイッチがOFFの時は、外部へ電圧が出力されない。
V-W相間電圧調整器
㉗試験電圧 V-W 調整ツマミ
(1φ3W,3φ3Wのみ)
試験時のV-W相間出力電圧を調整する。
試験切換スイッチが電圧、START/STOPスイッチがON(点灯)
の時に機能する。
OUTPUT(電圧出力)スイッチがOFFの時は、外部へ電圧が出力されない。
試験切換スイッチが電圧以外の時は、機能しない。
㉘基準電圧 V-W 調整ツマミ
(1φ3W,3φ3Wのみ)
試験前のV-W相間基準出力電圧を調整する。
試験切換スイッチが電圧の時は
START/STOPスイッチがOFF(消灯)の時に機能する。
試験切換スイッチが電圧以外の時は、常時機能する。
OUTPUT(電圧出力)スイッチがOFFの時は、外部へ電圧が出力されない。
W-U相間電圧調整器
㉙試験電圧 W-U 調整ツマミ
(3φ3Wのみ)
試験時のW-U相間出力電圧を調整する。
試験切換スイッチが電圧、START/STOPスイッチがON(点灯)
の時に機能する。
OUTPUT(電圧出力)スイッチがOFFの時は、外部へ電圧が出力されない。
試験切換スイッチが電圧以外の時は、機能しない。
㉚基準電圧 W-U 調整ツマミ
(3φ3Wのみ)
試験前のW-U相間基準出力電圧を調整する。
試験切換スイッチが電圧の時は
START/STOPスイッチがOFF(消灯)の時に機能する。
試験切換スイッチが電圧以外の時は、常時機能する。
OUTPUT(電圧出力)スイッチがOFFの時は、外部へ電圧が出力されない。
周波数設定部
㉛周波数設定ロータリーエンコーダー
基準・試験周波数切換スイッチで選択された周波数を設定する。
※詳細は下記ロータリーエンコーダーの使い方参照
㉜基準・試験周波数切換スイッチ
周波数設定ロータリーエンコーダーで設定する周波数を選択する。
基準側では、試験切換スイッチが周波数の時のみ機能し
試験前の基準周波数を設定する。
試験側では、試験出力時の周波数を設定する。
試験切換スイッチが周波数以外の場所では出力電圧の周波数を設定する。
試験切換スイッチが周波数以外では、試験側のみ機能する。
㉝試験周波数表示器
試験時の出力周波数を表示する。
試験切換スイッチが周波数以外では
出力電圧の周波数表示も兼ねる。
㉞基準周波数表示器
周波数試験では試験前の基準出力周波数を表示する。
試験切換スイッチが、周波数の時のみ機能する。
㉟動作時間表示器(カウンター)
継電器の動作時間を表示する。
トリップ/接点確認切換スイッチがトリップ側の時のみ機能する。
㊱START/STOP スイッチ
START/STOPスイッチ
試験を開始(START、ランプ点灯)/終了(STOP、ランプ消灯)するスイッチ。
トリップ/接点確認切換スイッチがトリップ側時は
トリップ入力から継電器の動作を検出すると、試験を終了し基準出力状態に戻る。
㊲U-V 電圧計 ×2 表示器
試験電圧の指示値の 2 倍の電圧を出力していることを表示する。
結線切換スイッチを 1Φ3W、試験相切換を V-W に設定したときに点灯する。
電圧レンジ切換スイッチが300V、指示電圧が300Vの時は、600Vが出力されている。
㊳V-W 電圧計 ×2 表示器
電圧計指示値の 2 倍の電圧を出力していることを表示する。
結線切換スイッチを 1Φ3W、試験相切換を W-U に設定したときに点灯する。
㊴W-U 電圧計 ×2 表示器
電圧計指示値の 2 倍の電圧を出力していることを表示する。
結線切換スイッチを 1Φ3W、試験相切換を U-V に設定したときに点灯する。
基本仕様
機能仕様
ブザー
安全機能
ロータリーエンコーダーの操作には、上から押す操作と、左右に回す操作がある。
2つの操作を組み合わせて、素早い数値設定が行える。
上から押す操作では、可変する桁を変更する。
1回押すと最下位桁が点滅し、可変が可能となり、更に押す度に桁が上位に移動する。
設定されたレンジの最上位桁からさらに押すと全ての数字が点灯状態となり
可変が出来なくなる。
もう一度押すと最下位桁が点灯し、この動作を繰り返す。
※可変可能な桁は、数字が点滅する。
左右に回す操作では、選択されている桁(数字が点滅する桁)の数値が増減できる。
右に回すと、数値が増える。
左に回すと、数値が減る。
出力電圧三相一括調整器を基準側、試験側とも
矢印方向(時計回り)へ最大に回しておく。
U-V,V-Wの各出力電圧調整器を操作し、出力電圧値を設定する。
W-Uには、U-V,V-W相間電圧の和が出力される。
1φ3W出力でW-Uの出力電圧は、U-V,V-W間の出力電圧の和が出力される。
このため、W-U単独での出力電圧調整はできない。
出力電圧三相一括調整器を基準側、試験側とも矢印方向(時計回り)へ最大に回しておく。
U-V,V-Wの各相間電圧調整器を操作し、出力電圧値を設定する。
W-Uの相間電圧調整器を操作し、出力電圧値を設定する。
本器の3φ3W出力は、V結線となっており
W-Uの出力電圧調整は、U-V,V-W間の電圧の大きさと位相調整によって行うので
先にU-V,V-Wの出力電圧調整を行ってから、W-Uの出力電圧を調整が必要。
出力電圧三相一括調整器を基準側、試験側とも矢印方向(時計回り)へ最大に回しておく。
U-V,V-W,W-Uの各相間電圧調整器を操作し、出力電圧値を任意に設定する。
この時の設定電圧値が三相一括調整を行う場合の最大値(100%)となる。
出力電圧三相一括調整器を操作すると、各相同じ比率で一括調整することが可能。
三相一括調整器が0の位置では
U-V,V-W,W-Uの各相間電圧調整器を操作しても電圧調整ができない。
通常は三相一括調整器を基準側、試験側とも矢印方向(時計回り)へ最大に回した状態でしようすること。
https://www.musashi-in.co.jp/manual/mvf-1_09.pdf
2310MVF-1 電圧・周波数リレーテスター
取扱説明書 第9版 より引用
メーターの表面を触ると指針が振れる、ゼロ調整ができない等の症状がある場合は
帯電している可能性があるため、測定を行わないこと。
製造時に帯電防止剤の塗布により予防処置をおこなっているが
経年的に帯電防止効果が薄れた場合に、静電気によりメーターが予期せぬ動作をすることがある。
その際には、帯電防止剤の塗布等の処置を行なう必要がある。