三菱製地絡方向継電器MDG-A1V-Rの試験方法まとめ

地絡方向継電器とは

各部名称

①数値表示用LED

表示選択用切替スイッチ④を用いて以下の表示することが可能
●Vo計測…残留Vo試験入力を1.0~12.0%まで表示可能
●自己記録Vo…1.0~100%まで表示可能
●I0計測…残留Io、試験入力を0.05~1.50Aまで表示可能
●位相計測…Vo、Ioの位相(Vo基準)を遅れ0~359°まで表示
●Vo、Io動作表示…各始動入力V、Iが点灯
●整定値表示…各整定値を表示


●使用条件整定表示…使用条件の設定を 2s 間隔で順次表示

②RUN表示LED

制御電源・電子回路・プログラムデータなどを常時監視しており、正常時には緑色に点灯する。

③テストスイッチ

定格電圧印加時に、動作時間の間、ボタンを押すことで強制動作が可能。
(=出力接点先のLBSやVCBが開放される)

零相電圧Voが「Lock」の場合には強制動作ができないので注意

④表示選択用切替スイッチ

ツマミの切り溝方向の値ポジションが表示選択項目となる
スイッチ操作は手動orマイナスドライバーで可能。

⑤零相電圧・零相電流・動作時間整定用スイッチ

ツマミの切り溝方向の値が整定値となる。
スイッチ操作は手動orマイナスドライバーで可能。

⑥使用条件整定スイッチ

●周波数
●最高感度角(動作位相)
●組み合わせZVT
●出力接点復帰方式
使用条件に合わせてSWの設定ON/OFFが可能

⑦動作表示器

リレー動作時、黒色→橙色に変化する

⑧動作表示器表示復帰レバー(本体内蔵)

レバーを押しあげることで動作表示器を復帰させることが可能。
押し上げた状態ではリレー機能がロックされる。
(復帰レバーを完全に押し上げた状態で、RUNランプが消灯しリレー機能がロックされる)

出力接点が自己保持状態で復帰レバーを押し上げると出力接点が復帰する

端子配列

E…アース端子

Y1,Y2…零相電圧検出器(ZPD)接続端子

Z1,Z2…零相電流変流器(ZCT)接続端子

P1,P2…継電器動作用電源端子

M,N…Vo拡張端子(同一構内の他DGR試験機にY1,Y2を出力する際に使用)

a11,a12…トリップ時メークするa接点№1(警報を出力する盤のa接点入力端子)

a21,a22…トリップ時メークするa接点№2(警報を出力する盤のa接点入力端子)

外部接続例

内部接続線図

MDG-A1V-Rは電圧引外し方式のため、遮断器がCT引外し(電流引き外し)の場合には
MGX-1形補助箱が必要となる。

地絡方向継電器MDG-A1V-Rの試験方法

需要家内にZPDありの場合

●DGR測定試験時に電圧を印加する場合、高圧側から三相一括で印加する場合と、MPD-3TのT端子(テスト端子)から印加する2種類存在する。

MPD-3T内のコンデンサ素子はMPD-3C(ZPD)の10倍なので印加電圧が1/10になることに注意する
※T端子に380Vを超える電圧を印加すると危険

●ZCTのkt,lt端子がない場合、ZCTの貫通穴に電流要素コードを貫通させて通電させる。
※電流の流れる方向に中止すること。
ZCTのK側からL側のに電流が流れるように結線する

需要家内にZPDがない場合

定格と性能

定格  

●入力電流:0.2A (MZT形 ZCT 1次)
●入力電圧(MPD-2形又はMPD-3形 ZVT 2次電圧)
●周波数 50/60Hz切り替え
●制御電圧 AC100/110V (90~120V)

整定

●Io動作値 0.1-0.2-0.4-0.6-0.8-1.0A (MZT形 ZCT 1次側換算値)
●Vo動作値 完全地絡時に発生する零相電圧Voの Lock-2-5-7.5-10%
例) 6.6kV 完全地絡 100%Vo 一次電圧=3810V時、MPD形 ZVT 二次出力電圧=7V
●動作時間 瞬時 0.2-0.3-0.4-0.5-0.6-0.7-0.8-0.9-1.0s

定格消費VA(制御回路)

定常時4 VA
動作時7 VA

性能

●動作値特性
Io…動作時間 T=0.2s 、零相電圧Vo=5.0%設定時、Vo入力を3相一括で整定値の150%電圧(MPD一次にて286V)を
       印加し、最大感度角にて、各整定値電圧±10%以内
Vo…動作時間 T=0.2s 、零相電流Io=0.2A設定時、Io入力を150%電流(0.3A)を流し、
       印加し、最大感度角にて、各整定値電圧±25%以内

復帰値特性(自動復帰設定時)…Io、Vo値共、動作値の90%以上

●位相特性
動作時間T=0.2s、零相電流Io=0.2A、Vo=5%設定時、入力Vo=整定時の150%(286V)を印加し
Io整定値の1000%(2A)に整定して、進み、遅れの位相各を求める。
判定基準と位相図は以下の通り

●動作時間特性
最大感度角にてVo=整定値×150%、Io=整定値の130%、400%で試験実施

判定基準

代替商品について

●MDG-A3V-R

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://dl.mitsubishielectric.co.jp/dl/fa/members/document/manual/pror/jep0-il2122/mdg-a3_j.pdf
三菱ディジタル形保護継電器 MDG-A3V-R MDG-A3V-RD 取扱説明書より画像引用

参考資料

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://dl.mitsubishielectric.co.jp/dl/fa/members/document/manual/pror/jep0-il1291/mdg-a1_r2.pdf
三菱ディジタル形保護継電器 MDG-A1V-R MDG-A1V-RD 取扱説明書より引用

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