進相コンデンサは
交流回路において力率(りきりつ)を改善するために使用されるコンデンサのこと。
別名「力率改善コンデンサ」とも呼ばれる。
進相コンデンサは
交流回路において力率(りきりつ)を改善するために使用されるコンデンサのこと。
別名「力率改善コンデンサ」とも呼ばれる。
コンデンサは、誘導機器と異なり電流が電圧よりも進むので、進み力率になり、進み無効電力を消費する。
このため、下左図のように回路にコンデンサを並列に接続することにより遅れ無効電力を打ち消すことができる。
これにより、下右図のように力率が改善される。
左図:コンデンサの並列接続 右図:コンデンサによる力率改善
力率改善の必要性について
電動機などの力率は、容量や極数により異なるが、一般に遅れ 60 〜 80% 程度となる。
電力負荷は遅れ力率なのため、力率が悪い機器が電路に数多く接続されていると、総合的な力率が低下してしまう。
力率が低下すると無効電力が増大して、設備利用率が低下する。
また、同じ電力を使用する場合でも電流が大きくなり
電力損失の増加、電圧降下の増大など、様々な弊害が生じる可能性がある。
さらに、力率が悪いと電気料金も高くなるため力率はできるだけ 100% に近づくように改善する必要がある。
進相コンデンサは、交流電源に接続されると
電圧に対して電流の位相が90度進む特性を持っている。
一方、誘導性負荷(モーターなど)では、電圧に対して電流の位相が遅れる。
進相コンデンサを誘導性負荷と並列に接続することで
コンデンサが発生する「進み無効電力」と、誘導性負荷が発生する「遅れ無効電力」が互いに打ち消し合い、全体の無効電力が減少する。
これにより、皮相電力に対する有効電力の割合が高まり、力率が改善される。
進相コンデンサを設置する主な目的は
力率を改善することであり、これにより様々なメリットが得られる。
メリット
デメリット
進相コンデンサは、使用される電圧によって「低圧進相コンデンサ」と「高圧進相コンデンサ」に大別される。
また、設置場所によってもメリット・デメリットがある。
低圧進相コンデンサ
特徴
比較的容量が小さく、個別の負荷(モーターなど)の近くに設置されることが多い。
メリット
各負荷で発生する無効電力をその場で打ち消せるため、配電線路全体の電力損失低減効果が高い。
また、自構内で発生する高調波電流を吸収しやすくなる。
デメリット
設置台数が多くなる傾向があり
総コストやメンテナンスの手間が増える可能性がある。
高圧進相コンデンサ
※近年では、誘電体に局部的な絶縁破壊が生じても自己回復する「SHコンデンサ」や、環境に配慮した窒素ガス封入乾式コンデンサなども普及している。
コンデンサの膨らみ
| コンデンサ容量 [kvar] | ケースふくれ(t) [mm] |
| 10.6 ~ 53.2 | 10 |
| 79.8 ~ 106 | 15 |
| 160 ~ 319 | 20 |
| 426 ~ 532 | 25 |
コンデンサの内部は絶縁油が充満され、内部圧力が加圧ぎみになるように密封されている。
これは、温度が低下して絶縁油の体積が収縮しても、コンデンサケース内部が負圧にならないようにするため。
このため、コンデンサは通常は若干ふくれているが、内部異常が発生すると
ふくれが大きくなるので、外観点検での確認が必要になる。
上表に、コンデンサケースのふくれ許容限界を示す。
コンデンサの温度
| 項目 | 油入高圧進相コンデンサ | 油入リアクトル |
| 測定箇所 | ケース正面 2/3 の高さ | 温度センサ取付部 |
| 温度目安 | 定格運転で温度上昇値 15°C以下 | 定格運転で温度上昇値 45°C以下 |
コンデンサやリアクトルの温度管理は、事故防止のための重要項目となる。
サーモラベルや放射温度計などを使用すると、容易に監視ができる。
上表は温度管理の目安値となる。
新電気2020年10月「高圧コンデンサの取り扱いと再点狐現象<その1>」より一部引用
新電気2019年 12月号「現場のギモン解決塾 第12回コンデンサの保護で気をつけることは」より一部引用