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零相電流についての基礎知識まとめ

零相電流(れいそうでんりゅう、Zero-sequence current)とは、三相交流回路において
各相の瞬時値の和がゼロにならない成分の電流のこと。通常運転時では、三相が平衡しているため
各相の電流の位相が120度ずつずれ、その和はゼロになる。
しかし、地絡事故や不平衡負荷などが発生すると、この平衡が崩れ、零相電流が発生する。

零相電流の特徴

  • 同位相の成分: 各相で大きさと位相が等しい成分。
  • 地絡事故の検出: 地絡事故が発生すると、大地を経由して零相電流が流れるため
    地絡保護リレーなどで事故検出に利用される。
  • 不平衡負荷の影響: 三相負荷が不平衡な場合にも零相電流が発生する。
  • 高調波成分: 特に3の倍数の高調波成分は、各相で同位相となるため零相電流として現れる。

零相電流の発生原因

  • 地絡事故: 電線や機器の絶縁不良などにより、いずれかの相が大地に接触した場合。
  • 不平衡負荷: 三相負荷の各相にかかるインピーダンスや電力が異なる場合。
  • 変圧器の結線方式: Δ-Y結線の変圧器の一次側で地絡事故が発生した場合、二次側に零相電流が流れることがある。
    Y-Δ結線の場合は、一次側の零相電流は二次側に流れない。
    Y-Y結線(中性点接地あり)の場合は、一次側の零相電流が二次側に流れることがある。
  • 高調波の発生: インバータやスイッチング電源などの非線形負荷から発生する3の倍数の高調波成分。

零相電流の検出と保護

零相電流は、以下のような方法で検出され、電力系統や電気機器の保護に利用される。

零相電流対策

  • 地絡保護の強化: 高感度な地絡継電器の設置や、保護協調の見直し。
  • 不平衡負荷の抑制: 負荷の均等化や、単相負荷の適切な配置。
  • 高調波対策: 高調波フィルタの設置や、高調波発生源の抑制。
  • 変圧器の適切な結線方式の選択: 系統や負荷の特性に合わせた結線方式の採用。
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