線間絶縁抵抗と対地間絶縁抵抗の違い
絶縁抵抗を測定する箇所は大きく分けて、「線間絶縁抵抗」と「対地間絶縁抵抗」の2種類がある。
線間絶縁抵抗
各相間の絶縁抵抗の健全性を試験する。
線間絶縁抵抗が劣化すると、短絡状態になる。

対地間絶縁抵抗
各相と大地間の絶縁抵抗を試験する。
対地間絶縁抵抗が劣化すると地絡状態になり、大地に流れる漏れ電流が大きくなる。

線間絶縁抵抗の測定方法
各電源システムの線間絶縁抵抗の測定箇所は下表

測定方法
①ブレーカーをオフにする
②線間絶縁抵抗を測定するときは、接続されている全ての負荷(電気機器)を取り外す。
→回路をOFF状態にする
③絶縁抵抗計を接続して測定する
負荷を取り外さずに線間絶縁抵抗を測定した場合に起きる事象例

絶縁抵抗を測定しているので、ブレーカーはオフ状態。
※電球のスイッチはオン状態
この状態で線間絶縁抵抗を測定したとき、絶縁抵抗計から出力される直流電圧が、電球にかかることになり、直流電流が流れる。
→絶縁抵抗計は電球の負荷抵抗を測定していることになる。
仮に負荷抵抗が1kΩであったとしても、絶縁抵抗計は大きな抵抗(単位はMΩが基本)しか測定できない計測器なので、ゼロMΩと表示される。
→正しく線間絶縁抵抗を測定するには、電球のスイッチをオフにする必要がある。
対地間絶縁抵抗の測定方法
各電源システムの対地間絶縁抵抗の測定箇所は下表

接地と各相の全ての組み合わせを測定する。
プローブの接続方法は、EARTH端子を接地側、LINE端子を相側に接続する。

測定方法
①ブレーカーをオフにする
②EARTH端子のワニ口クリップを接地端子に接続する
③LINE端子側のプローブを、盤の接地されている箇所(集中接地端子や、盤のネジなど)に当てて、導通チェックを行う
④絶縁抵抗計を各相に接続して測定する
測定する盤が変わったときなど、正しくはさめている保証がないため、その都度必ず導通チェックを行ってから対地間の絶縁抵抗を測定するよう習慣づけること。
参考資料
https://www.gennect.net/ja/knowledge/fmi/ir-measurement
絶縁抵抗の測定方法 より引用
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