三菱電機製無方向性地絡継電器 MGR-1V形 取り扱い方法まとめ

無方向性地絡方向継電器(HGR)の概略

HGR(High Grand Relay)

保護目的:漏電・波及(もらい)事故の相互防止

地絡継電器(HGR)とは

電気設備の電路や設備で絶縁劣化や樹木などとの接触、低圧電源との接触(混触の発生時には、感電や機器故障が想定される(地絡の発生
地絡が発生すると電路と大地との間で、地絡電流零相電流が発生する。
零相電流は、大電流のため零相変流器(ZCT)を用いて地絡継電器に入力する。

地絡継電器は、地絡過電流継電器と呼ばれる場合がある。

地絡継電器(GR)地絡方向継電器(DGR)の違いについて

地絡継電器(GR)
→事故電流を零相変流器(ZCT)で検出し、その大きさのみで動作する

地絡方向継電器(DGR)
→事故電流をZCTおよび零相電圧検出装置(ZPD)の組み合わせで検出し、その大きさと両者の位相関係で動作する。

無方向地絡継電器 MGR-1V の仕様

MGR-1V形 / MGR-1C形 仕様表

無方向地絡継電器 MGR-1Vの構造

操作部各部説明


テストスイッチ:継電器設置時や点検の際、継電器の動作点検を行うためのテスト用押釦スイッチ

感度調整タップ:地絡電流により動作する電流感度を調整するためのツマミ
       調整タップは0.1,0.2,0.4,0.6(A)の4点切替
        一般的な動作電流の整定値は0.2Aタップを使用する。

動作表示器:継電器が動作したときに、電磁マグサインが黒色→橙色を表示する。
      事故が解消し継電器が復帰しても、表示器だけは残留表示する。
      下記の表示復帰押釦を押して復帰させる。
(継電器は、テスト用押釦スイッチを押したとき及び動作電流の整定値を超える電流が連続して動作時間以上流れた場合に動作する。)

表示復帰押釦:動作表示器を復帰させるときに表示復帰押釦を押す。
      押しても復帰しない時は、地絡電流により動作が継続中であることを示唆する。

無方向地絡継電器 MGR-1V の動作説明・原理

ブロック図

Z1,Z2:零相変流器二次出力電流を継電器内部回路への入力する端子
零相変流器二次出力kを継電器Z1へ接続
零相変流器二次出力lを継電器Z2へ接続

P1,P2:定格電圧AC110V,50/60Hzを接続
継電器本体に定格電圧AC110Vが印加されると、電源表示灯(緑LED)が点灯する。
a,b,c:無電圧出力接点で、継電器が動作したとき、a-c間は閉路、b-c間は開路する。

零相変流器(ZCT)
k,l:零相変流器の二次出力端子で、ZCT一次電流に零差電流が発生すると二次端子に出力する。
※二次巻線を接地する場合は、零相変流器二次出力端子l側をD種接地すること。
kt,lt:試験用端子で、継電器の動作試験を行うときにktからltに試験電流を流す
  使用しないときは開放状態にしておく。

動作説明

高圧需要家内で地絡事故が発生すると故障電流(零相電流-充電電流)は
大地を経て配電線や機器の対地静電容量を通じて流れ
その故障電流は零相変流器により検出され地絡継電器にも伝わる。

故障電流は継電器の増幅回路で増幅され
整定電流値以上で規定の時間以上継続すれば内蔵の補助リレーが作動し
その作動状態を自己保持する。これによって,しゃ断器を作動させ故障を除去するとともに
故障表示器のターゲットを落とします。
故障表示器のターゲットを手動で(カバー付の状態で可能)復帰させれば自己保持がとける。

接続線図

MGR-1V-PにはB₁,B₂端子はない。

結線方法

● 零相変流器の試験端子 kt, lt は試験時模擬故障電流を流す時だけ使用し
試験後は開放しておく。(短絡状態のままだと、継電器は動作しない)

●零相変流器の出力端子 k, l は地絡継電器 Z1, Z2 にそれぞれ接続し
PT二次側は P1, P2 に接続する。

● 継電器の Z2, P2 側を接地すること。

●零相変流器の二次側の接続導線を大きい電流が通電するケーブルなどの近くに布設する場合は
誤作動が起きないように接続線をツイストするか
あるいはシールド線を使用するなど配慮すること。
シールドはリレー端子 Z2 へ接続すること。

●貫通導体として電力ケーブルを使用する時
またはケーブルのシールド線を接地する時は零相変流器に常時出力が出ないように
必ず1点アースにすること。

無方向性地絡継電器 MGR-1V端子図

無方向性地絡継電器 MGR-1Vの試験手順

動作電流特性試験

1.零相変流器のkt-lt端子、又は零相変流器に一線を貫通させる。
2.スライダックを操作し、試験電流を徐々に上昇させ継電器が動作した時の電流値を記録する。
規格:各整定値の±10%

動作時間特性試験


1.零相変流器のkt-lt端子、又は零相変流器に一線を貫通させる。
2.零相変流器に整定値の130%の電流が流れるようスライダックで調整する。
3.零相変流器に電流を投入してから動作するまでの時間を記録する。
4.電流を整定値の400%に変更し、動作するまでの時間を記録する。

判定基準

動作電流特性

整定値の±10%以内で動作

動作時間特性単体

●整定値130%で0.1~0.3秒以内で動作
●整定値400%で0.1~0.2秒以内で動作

慣性特性

整定値の400%の電流を急激に0,05秒の間通電しても動作しないこと

JIS C 4601(1993) より引用

参考資料

chromeextension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/protectiverelays_tg_j_1_1.pdf
OMRON Grobal「保護継電器技術解説」

新電気2019年11月号「保護継電器Q&A」
新電気2020年4月号「リレー試験の基礎知識」

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://dl.mitsubishielectric.co.jp/dl/fa/members/document/manual/pror/jep0-il0933/mgr-1.pdf
MGR形 地絡継電器 説明書より引用

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