MENU

対称三相交流電源におけるベクトルオペレータαについての補足

博士帽をかぶった犬のキャラクター

対称三相交流電源を扱う上で、ベクトルオペレータ α (アルファ) は

三相交流の位相関係を複素数で簡潔に表現するために使われる非常に重要な概念となる。

目次

ベクトルオペレータ αの概略

ベクトルオペレータは、大きさが1で偏角が120∘の単位ベクトルのことで
次のように表される。

ベクトルオペレータα(1∠120°)の式

また、a^2 および a^3は次のようになる。

α²(1∠240°)とα³(1∠0°)の式

このことから、あるベクトルにベクトルオペレータを1回掛けるごとに
そのベクトルの大きさはそのままに、位相が120°ずつ進むことになる。

ベクトルオペレータ α の定義

ベクトルオペレータ α˙は、大きさが 1 で
位相が正の方向(反時計回り)に 120°だけ回転させる作用を持つ複素数のこと。

数値的定義

αはオイラーの公式または三角関数を用いて
以下のように定義される。

ベクトルオペレータαをオイラーの式と度数法で表した式

α^2 と α^3

α を2乗、3乗すると、以下のようになる。

ベクトルオペレータα²・α³の作用と複素数表示の表

対称三相交流の表現

α˙ を使うと、対称三相交流電圧のベクトル E˙a​,E˙b​,E˙c​ は
基準となる E˙a​ を用いて非常に簡潔に表現できる。

  • E˙a​: 基準相(通常、0∘)
  • E˙b​: E˙a​ より 120∘ 遅れ
  • E˙c​: E˙a​ より 120∘ 進み(または 240∘ 遅れ)

これらの関係は、α˙ を用いて次のように表される。

ベクトルオペレータαを使った対称三相交流の表現の表

※ E˙b​ は E˙a​ から負の方向(遅れ)に 120°ずれているが、
 240°正の方向に回転させる α˙2 を掛けることでも表現できる。

ベクトルオペレータαの重要な性質

対称三相交流の計算において、特に利用される α˙の性質は
「3つのベクトルの和がゼロになる」 というもの。

αの和の性質

αとその累乗を足し合わせると
ゼロになります。

ベクトルオペレータの性質 1+α+α²=0 の式

この性質は、対称三相交流の瞬時値の和がゼロになる性質(ea​+eb​+ec​=0)を
ベクトル(複素数)の形で裏付けている。
この関係は、対称三相交流の計算、特に対称座標法などの複雑な不平衡回路の解析で非常に重要となる。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

はじめまして、当ブログ「名無し電気管理事務所」を運営している名無しと申します。
ここでは、私の経歴や当ブログの運営目的についてご紹介します。

1. 保有資格
実務に関わる以下の国家資格を保有しています。

第3種電気主任技術者(2023年取得)

第1種電気工事士

建築物環境衛生管理技術者

2. 経歴・実務経験
電気保安・ビルメンテナンスの業界で約7年の実務経験があります。
現在は電気保安法人にて、保安業務従事者として勤務しています。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次