河村電器産業のサブステーションコンポ(Substation COMPO)は
電気室向けのフレーム式高圧受変電設備のこと。
従来の受変電設備に比べ、搬入のしやすさや施工の効率化、省スペース化を主な特長としている。
サブステーションコンボは、電気室に必要な機能をユニット化し
工場で組み立て・検査を行う「コンポーネント工法」を採用しており
現場での作業負担を大幅に軽減することが可能になっている。
サブステーションコンポは、特にマンションの一括高圧受電向けや
電気室のリニューアルが必要な現場で、その搬入・施工の容易さからメリットを発揮する製品。
受電設備におけるキュービクル形と開放形との違いについて
キュービクル形

受電設備の一種であるキュービクル式高圧受電設備のことで
多くの施設で採用されているポピュラーな設備。
電力会社から供給される6,600V(高圧)の電気を、施設内で使用できる100Vや200V(低圧)に
変換するために必要な機器一式を、金属製の箱(筐体)に収めたもの
メリット

デメリット

開放形
高圧受電設備における開放形(オープン式)は、受変電に必要な機器類を金属製の箱に収納せず
鉄骨やパイプで組んだフレームの基礎上に、機器を露出した状態で設置する方式。
現在、多くのビルやマンションでは安全で省スペースなキュービクル式(閉鎖型)が主流だが
開放型は主に大容量の電力を使用する大規模な工場や、電力会社・鉄道会社の施設などで採用されることが多い。
メリット・デメリット

サブステーションコンボの主な特長

分割搬入・省施工
- 分割構造
フレームが上下に分割できるため、狭い通路や出入口でもスムーズに搬入が可能。
750mm幅の商品であれば、800mm幅の扉でも搬入が可能。
※一部商品を除く - 工期短縮
工場でユニットごとに組み立てと品質検査を済ませてから現場に搬入するため
現場での組立・調整作業が減り、工期を短縮できる。 - 分割チャンネルベース
水平調整が容易な先納可能なチャンネルベースにより
現場での作業を効率化できる。
自由な配置と改修への対応

- 自由な配置
現地の状況に合わせて、横一列配置など自由な配置が可能。 - 既存改修(リニューアル)向け
既存のパイプフレームを残したまま部分的に改修を行うなど
リニューアル現場にも適している。 - 新設向け
フレームパイプを使わず、見た目がスッキリとした電気室を構築できる。
メンテナンス性の向上
- 計器類・トランスのメンテナンス性向上
新構造の前面パネルにより、トランス交換や計器類の点検が容易になっている。 - スナップラッチの採用
受電盤の保護板にスナップラッチを採用しており
保護板の取り外しが簡単で、ネジの紛失を防げる。
サブステーションコンボの主な仕様例

製品ラインナップや容量によって異なりますが、一般的な仕様の例として以下のものが挙げられている。
- 最大トランス容量: 300kVA(電灯/動力共)
- 最大入線サイズ: 60mm²(標準は38mm²)
- 最大高圧CT比: 200/5A
トランス盤と低圧配電盤の配線は、原則として現地での施工となる
参考資料
新電気2023年6月号 開発秘話 河村電器産業 サブステーションコンボ より引用
https://www.kawamura.co.jp/substation
分割して搬入できる受変電設備 SUBSTATION COMPO(サブステーションコンポ) より引用

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